2023.12.12

令和5年度の地域創造大賞、受賞施設に和歌山県立近代美術館など

一般財団法人地域創造が、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりにとくに功績のあった公立文化施設を顕彰する「地域創造大賞(総務大臣賞)」。その令和5年度の受賞施設が決定した。

和歌山県立近代美術館と中銀カプセルタワービルのカプセルA908 提供=和歌山県立近代美術館

 一般財団法人地域創造が、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりにとくに功績のあった公立文化施設を毎年顕彰する「地域創造大賞(総務大臣賞)」。令和5年度の受賞施設に5施設が選ばれた。

 平成16年度に創設され、今年度で20回目となる同賞。受賞施設は深川市文化交流ホールみ・らい、神奈川県立県民ホール神奈川芸術劇場(KAAT神奈川芸術劇場)、京都会館(ロームシアター京都)、豊中市立文化芸術センター、和歌山県立近代美術館の5施設だ。

 審査委員は、田村孝子(文化ジャーナリスト、前公益社団法人全国公立文化施設協会副会長)、吉本光宏(合同会社文化コモンズ研究所代表)、河内隆(一般財団法人地域創造理事長)、熊倉純子(東京芸術大学大学院国際芸術創造研究科長教授)、小林真理(東京大学大学院人文社会系研究科教授)、坪池栄子(株式会社文化科学研究所編集プロデューサー)、仲道郁代(ピアニスト)、柳沢秀行(公益財団法人大原美術館学芸統括)が務めた。

 各施設の受賞理由については以下の通り。

深川市文化交流ホールみ・らい
「施設計画に携わった市民文化団体有志の設立したNPO法人深川市舞台芸術交流協会が2006年から運営。クラシック音楽のアーティストとの絆を育み、アウトリーチ(2016年度からは市内全小中学校)、エントランスコンサート、創造的な市民参加事業を意欲的に展開。人口1万9千人のまちの文化広場としてアーティストとの交流による心豊かな暮らしに貢献した」

神奈川県立県民ホール神奈川芸術劇場(KAAT神奈川芸術劇場)
「芸術監督、技術監督など専門家を配して運営。貸館による首都圏の人気公演と並び、新進アーティストを起用した演劇・ダンスの斬新な新作を数多くプロデュース。ファミリー層に新しい舞台体験を提供するKAATキッズ・プログラム、オリジナル・プロダクションによる県内ツアーなど高度な舞台芸術の広域拠点施設として尽力した」

京都会館(ロームシアター京都)
「前川國男設計の京都会館を改築し、ロームシアター京都として再出発。「劇場文化をつくる」をミッションに、新作プロデュース、伝統芸能の継承、京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT」、京都芸術センターなどとの連携、「劇場の学校」による人材育成、子どものプログラム、ローム・スクエアを活用した賑わい創出事業などを展開。国際的な文化芸術都市・京都の振興に貢献した」

豊中市立文化芸術センター
「大阪のベッドタウンとして発展した中核都市・豊中の文化芸術拠点。日本センチュリー交響楽団がパートナーオーケストラとして連携。幅広いジャンルの鑑賞事業に加え、地元演奏家と市民コーディネータを育成する「とよなかARTSワゴン」、大学と連携したプロジェクトなどを展開。文化芸術と市民をつなぐ新たなハブとして地域の魅力を発信した」

和歌山県立近代美術館
「1963年に開設された和歌山県立美術館が前身。保田龍門、川口軌外、川端龍子ら郷土作家の作品を積極的に収集し、近現代版画を含め約15,000点を所蔵。美術館の基本であるコレクション活用の充実を図り、テーマ別展覧会、教職員と連携した「なつやすみの美術館」、小学生向け隔月鑑賞会などを展開。地域文化の普及と誇りの醸成に貢献した」