横浜市の「KAAT 神奈川芸術劇場」が舞台芸術とサステナビリティを考える特別講座「劇場がサステナビリティ(持続可能性)を考える 〜 環境に優しい舞台芸術」を3月15日に開催する。
本講座は、イギリスの舞台芸術におけるサステナビリティの先進事例である「シアター・グリーン・ブック」と、その実践について講師へのインタビュー(事前収録)を通じて学ぶもの。
「シアター・グリーン・ブック」とは、イギリスにおいて、幅広い舞台芸術関係者の議論によってまとめられ、2021年に発表された、劇場/舞台業界における環境配慮の取り組みについてのガイドブックだ。その内容は「持続可能な作品製作」「持続可能な劇場」「持続可能な劇場運営」からなり、その達成目標の度合いにより3段階のステージを設定し、指針と具体的な手順が示されている。イギリスではロイヤルナショナルシアターをはじめとして、このガイドブックに沿ってクリエイションを進める取り組みがすでに始まっている。
講座では、講師をパディ・ディロン(「シアター・グリーン・ブック」コーディネーター、劇場建築家、作家) と、ロベルタ・モック(ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校教授)が務める。ファシリテーターは大島広子(舞台美術家) と堀内真人(KAAT神奈川芸術劇場) 。また、講師からの学びを起点に「舞台芸術がサステナビリティに取り組むということ」と題したディスカッションも実施される。
舞台技術者をはじめ、すべての舞台芸術に携わる人々に向けて、舞台芸術と環境を考える場をつくることが目指される。