南アジアの視覚文化に特化したミュージアム「Museum of Art and Photography」(以下、MAP)が、今年後半にインド・バンガロールにオープンする。この種のミュージアムとしてはインド初のものとなる。
建築設計はインドの建築事務所マシュー&ゴッシュが担当。バンガロールの美術館街の中心に位置するこのミュージアムは、4000平米以上のスペースを有する。
同館のコレクションは2万点以上。南アジアの近代・現代美術から彫刻、民俗・部族美術、織物、グラフィック、写真まで、南アジアの視覚文化全般を網羅しており、とくにイギリスの植民地時代の歴史的転換点となった19世紀半ばから現代に至るまでの期間につくられた作品がその中心となる。
コレクションの中核をなすのは、インドの慈善家であり同館の創設者でもあるアビシェーク・ポッダーの個人コレクション。同館について、ポッダーは声明文で次のように述べている。「私は幼い頃から、芸術を発見する長い旅を続けてきた。その旅のなかで、素晴らしい芸術家や職人との友情を育んできた。その経験の成果をほかの人と共有したいと思う。なぜなら、誰もが境界線のない創造的なアイデアを学び、刺激を受ける権利があると信じているからだ」。
正式なオープンに先立ち、同館は「Museums Without Borders」という取り組みをスタート。大英博物館やV&A博物館、シンガポール・ナショナル・ギャラリー、ボストン美術館など海外の博物館と提携し、同館のコレクションをオンラインで公開している。
同館のファウンディング・ディレクターであるカミニ・ソーニーは、「MAPコレクションは、あらゆる形態の視覚表現を網羅した幅の広いコレクションで、私たちのストーリーをユニークな方法で深く共有する機会を与えてくれる。ハイアートとポピュラーカルチャーの境界線を曖昧にし、芸術の形態を超えて、MAPが美術館での体験に新たな命を吹き込み、まったく新しい世代に芸術の喜びを発見してもらうことを確信している」とコメントしている。