アイ・ウェイウェイの新作映画がカンヌ国際映画祭で上映拒否に。ロヒンギャ難民が題材

ロヒンギャ難民問題にフォーカスしたアイ・ウェイウェイの新作映画『Rohingya』(2021)が第74回カンヌ国際映画祭によって拒否されたことがわかった。

映画『Rohingya』(2021)より 出典=アイ・ウェイウェイのInstagram

 ロヒンギャ難民問題に焦点を当てたアイ・ウェイウェイの新作映画『Rohingya』(2021)が第74回カンヌ国際映画祭によって拒否されたことを、アイが自身のInstagramで明らかにした。

 ロヒンギャとは、主にミャンマー西部のラカイン州に住むイスラム教徒の少数民族で、1990年代からミャンマー政府による数十年におよぶ差別と激しい迫害に苦しめられてきた。多くの人がバングラデシュのコックスバザールに逃れ、現在同地には91万人以上の人々が暮らしている。

映画『Rohingya』(2021)より 出典=アイ・ウェイウェイのInstagram

 このロヒンギャ難民問題について、アイは16年から18年にかけてコックスバザールで撮影を行い、20年に映画を完成。アイによると、同作ではロヒンギャ人の「日常生活、社会的な儀式、キャンプ特有の風景、そして現代の最大級の移動のなかでの人間性の光」が記録されているという。

映画『Rohingya』(2021)より 出典=アイ・ウェイウェイのInstagram
映画『Rohingya』(2021)より 出典=アイ・ウェイウェイのInstagram

 昨年、アイはコロナ禍において数ヶ月の封鎖下に置かれた武漢を記録した長編ドキュメンタリー『Coronation』と、19年より香港で起きた香港民主化デモの様子を記録したドキュメンタリー『Cockroach』を公開。これらの作品はベルリナーレやヴェネチア、トロント、サンダンスなどの主要な映画祭や、Netflixなどの動画配信プラットフォームでの上映・公開が断られ、Vimeoで公開することとなった。

 今回の作品の公開日などの詳細はまだ明らかになっていないが、こちらもVimeoで公開予定だという。なお、本作の上映を拒否した理由についてカンヌ国際映画祭に問い合わせたが、返答は得られていない。

AI WEIWEI: ROHINGYA

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