現在イギリスを拠点に活動している中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイが、中国湖北省武漢市を中心に世界中に拡大している新型コロナウイルスのパンデミックに関する初の長編ドキュメンタリーを発表した。
今年6月、アイがマスクに作品をプリントして販売し、その収益を非営利組織に寄付したことはまだ記憶に新しい。『Coronation』と題された今回のドキュメンタリーは、アイがコロナ禍に着目した最新のプロジェクト。Vimeoオンデマンドでレンタルおよび購入することができる。
新型コロナウイルスの流行が最初に発生した都市として、人口約1100万人の武漢は数ヶ月にわたって封鎖下に置かれた。こうした状況下、アイのチームは武漢の病院、検疫所、個人の家で撮影し、医師、感染者、ボランティア、封鎖されている都市住民にインタビューを行った。
このドキュメンタリーでは、軍事化された国家統制、緊急医療対応、そして権威主義国家の影に隠れた普通の人々の生活を描いている。ウイルスの影響を受けて都市や個人空間で起こった変化を提示することで、グローバリゼーションのなかで個人や国家、そして今日世界が直面している危機について物語っている。