新型コロナによる公演中止を後世に伝える。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館が資料提供を呼びかけ

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、新型コロナウイルスによって公演中止や延期となった演劇関連の情報収集を開始。劇団・劇場・関係団体に提供を呼びかけている。

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

 アジアで唯一の演劇専門総合博物館として知られる早稲田大学坪内博士記念演劇博物館が、新型コロナウイルスによって公演中止や延期となった演劇の情報収集を開始した。

 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、1928年に坪内逍遙の古稀(70歳)と、その半生を傾倒した『シェークスピヤ全集』全40巻の翻訳完成を記念し、各界有志の協賛により設立された博物館。国内外の演劇・映像の貴重な資料を収蔵しており、40万枚にもおよぶ舞台写真や27万冊の図書など、そのコレクションは約100万点にものぼる。

 同館では、新型コロナウイルスの感染拡大のため、中止や延期を余儀なくされた演劇公演について、その情報収集を開始。劇団・劇場・関係団体に対し、資料の提供を呼びかけている。収集しているのは、チラシやポスター、プログラム、パンフレット、公演中止を知らせるDM等の文面など。

 収集した資料は、展示等によって発信・公開される予定で、上演されなかった演劇に関する展示企画も、オンライン展示を含めて検討中だという。

 同館では、この収集の背景について、「舞台芸術、ひいては日本文化の灯を守るために、今できることとして、新型コロナウイルス感染症の影響下にある現在を演劇という視座から記録し、かつ2020年に上演が叶わなかった公演の記録/記憶を後世に伝えることを企図しています」としている。詳細は同館公式サイトを参照してほしい。

 なお新型コロナの関連資料収集については、海外でも取り組みが始まっており、ロンドン博物館やサイエンス・ミュージアムなどが挙げられる

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