六本木の街を舞台にした一夜限りのアートの饗宴「六本木アートナイト」。11回目となる2020年のメインプログラムアーティストが、世界を舞台に活躍し日本を代表する現代アーティスト・村上隆に決定した。
2009年から、生活のなかでアートを楽しむというコンセプトと大都市東京における街づくりのモデル創出を目的に、同イベントは東京を代表するアートの祭典として開催。これまで、ヤノベケンジ、草間彌生、日比野克彦、蜷川実花、名和晃平などがメインプログラムアーティストを務めてきた。
今年のテーマは「マジカル大冒険 この街で、アートの不思議を探せ!」。村上がモチーフとして選んだのは「ドラえもん」。村上曰く「20世紀、日本が生んだ最大のポップアイコン」である「ドラえもん」をモチーフに、村上は近年、数々の作品をつくりだしてきた。今年の六本木アートナイトでは、村上による過去最大級のバルーン作品も制作予定だ。
今回のテーマについて、村上は「東京って、めっちゃ外国から見てメガロポリスです。もう、リアルブレードランナー的メトロポリス」としつつ次のようにコメントしている。「で、その街のアートって何がリアル?って考えると、ズバリ漫画です。日本のアートは漫画。……そのフュージョン、コラボで、何が一番良いかな、と問うと、僕的には『ドラえもん』がベストと思いました。なぜかと言うと、世界の地質学的に受ける温度差、微妙なズレが最高だと思ってます」。
またメインプログラムだけでなく、村上は今年のアートナイトのプロデューサーも務める。自身が主宰するカイカイキキ所属のアーティストも村上のプロデュースのもと、「ドラえもん」に挑み新作を制作。これらの作品は、六本木ヒルズアリーナ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3ヶ所に展示予定だ。
なお、今年は「ドラえもん」誕生から50周年を迎える節目の年。光のインスタレーション、映像、音楽、演劇、そして「ドラえもん」とともに、一夜限りのマジカル大冒険を楽しみたい。