馬喰町エリアを代表するギャラリーとして活動してきたTARO NASUが移転。新スペースの扉を開けた。
1998年に開廊した同ギャラリーは、那須太郎が代表を務めるギャラリー。国際的評価の高いピエール・ユイグやリアム・ギリック、ライアン・ガンダー、眞島竜男など国内外のコンセプチュアル・アーティストを世に紹介してきたことで知られている。
そのTARO NASUの新たな拠点となるのは、六本木にあるピラミデビル。同ビルにはオオタファインアーツ、ワコウ・ワークス・オブ・アート、ZEN FOTO GALLERY、Yutaka Kikutake Gallery、ペロタンが入居しており、さながら「ギャラリー・コンプレックス」のような存在だ。
今年に入ってからは、オークションハウス「フィリップス」と、前澤友作が代表を務める現代芸術振興財団がともに新オフィスを構えるなど、ますますアートの拠点としての存在感が高まっている。
TARO NASUの新スペースはこのビルの最上階に位置する。内装デザインを手がけたのはMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO。大きく分けて3つの展示室から構成されたギャラリー空間は、馬喰町のスペースよりも開放的で、壁面積はより広くなっている。
こけら落としはコンセプチュアル・アートの旗手として1960年代から現代美術の第一線で活動してきたローレンス・ウィナーの個展「OFTEN ADEQUATE ENOUGH」。会場にはウィナーの代表的なシリーズであるタイポグラフィを用いた新作が並び、真新しい空間を彩る。