自然と建築の関係を取り戻す。
藤森照信が広島市現代美術館で展覧会開催

建築家・建築史家の藤森照信がこれまで手がけた建築作品などを紹介する展覧会「藤森照信展 ー自然を生かした建築と路上観察」が、広島市現代美術館で開催される。会期は9月29日から12月3日まで。

多治見市モザイクタイルミュージアム 2016 撮影=増田彰久

 1946年長野県生まれの藤森照信は、近代建築史・都市史研究者として多くの業績を残したのち、44歳のとき《神長官守矢史料館》(長野県茅野市、1991)を設計し、建築家としてデビュー。以後、約25年のあいだに40あまりの建築作品を発表している。

 藤森の作品は、屋根にニラが植えられた住宅《赤瀬川原平邸(ニラハウス)》(東京都町田市、1997)や、自然木を柱にした鳥の巣箱のような茶室《高過庵》(長野県茅野市、2004)、 採土場をモチーフにした土壁が印象的な《多治見市モザイクタイルミュージアム》(岐阜県多治見市、2016)など、その独創性と自然素材の大胆な使用で注目を集めてきた。

高過庵 2004 撮影=増田彰久

 本展では、藤森が取り組んできた「自然素材を現代建築にどう生かすか」「植物をどう建築に取り込むか」というテーマを軸に、代表的な建築をスケッチや模型で紹介するとともに、屋根、壁などの素材見本、家具、茶室などを展示。また、「路上観察学会」や「建築探偵団」など、藤森の初期の活動の資料も公開される。

 会期中には、藤森による講演会やアトリエ・ワンとの対談、新作の茶室《せん茶》で行われる茶会などのイベントも予定されている。

編集部

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