日本の広告写真の先駆者であり、昭和初期にはヨーロッパの新興写真を国内に紹介した金丸重嶺(1900-77)。26年に、日本初の商業写真専門スタジオである「金鈴社」を鈴木八郎とともに設立。39年には日本大学芸術学部写真学科の初代主任となり、後進を育てるなど、日本写真界へ多大な貢献をもたらした。
没後40年を記念した本展では、これまで広く知られることのなかった金丸の写真家としての活動を、数々の資料で振り返る。
展示は、広告写真やスナップ写真、33年の満州での写真や、36年に開催されたベルリンオリンピック取材写真、また国策宣伝写真といった、初公開資料を含む約100点で構成される。作品は、当時の刊行物やオリジナルプリント、現存するネガフィルムからのニュープリントによって公開。今回が、金丸の作品を一堂で鑑賞できる初めての機会となっている。