東京・池尻大橋駅前に残るガソリンスタンド跡地で、ワインとアートを軸としたイベント「Ikejiri Wart Fair」が8月28日から30日まで開催される。入場無料。
ガソリンスタンドを新たな滞在空間へと転換
「WART」は、ワインとアートを中心に、食や音楽など異なる文化をひとつの場で交差させるプロジェクト。ワインをたんなる飲み物ではなく「文化を耕す装置」ととらえ、「飲む・食べる・見る・聴く・語る」といった行為をひとつの空間へと再配置する試みだ。2025年8月に東京・表参道で「Omotesando Wart Fair」を初開催しており、今回はその第2弾となる。

今回の会場となるのは、田園都市線・池尻大橋駅前のガソリンスタンド跡地。閉業後、新たな施設へ移行するまでの約1ヶ月のみ使用可能となった、いわば都市の「一時的な空白地」だ。会場構成は、建築家・元木大輔率いるDDAAが担当。高さ約6メートルの天井を持つ既存空間に多数の植物とスツールを配置し、天井からチューブ状の照明を吊り下げることで、かつてのガソリンスタンドを新たな滞在空間へと転換する。
アートの面で注目したいのが、サンフランシスコを拠点に活動するバリー・マッギーの参加だ。1966年生まれのマッギーは、「Twist」名義でグラフィティ・アーティストとして活動を始め、90年代以降のサンフランシスコで展開された芸術運動「ミッション・スクール」を代表する作家のひとりとして知られる。ストリートと美術館を横断しながら制作を続け、その作品はニューヨーク近代美術館やプラダ財団美術館などにも収蔵されている。今回はイベントのアートワークを手がける。

また、ガソリンスタンド営業時にサービスルームとして使われていたスペースでは、原宿のコンテンポラリーアートギャラリー「Scooters For Peace」がポップアップを展開。同ギャラリーはマッギーをはじめ、マーガレット・キルガレンやジョー・ロバーツなどサンフランシスコにゆかりのある作家と、国内の写真家らを紹介してきた。アートを空間の装飾にとどめるのではなく、ワインや食、音楽と並ぶひとつの「体験」として提示するという。
サウンドディレクションは、DJコレクティブ「CMYK」を主宰するNomizo(野溝大祥)が担当。飲食では三軒茶屋のuguisu(8月28日限定)、白金台のcoicoi(8月29日限定)、代々木上原のUKIYO(8月30日限定)が日替わりでワインを提供するほか、赤坂のSabasu、池尻大橋のMassifがフードを提供する。
再開発や建て替えによって役割を変えていく都市の「隙間」を、一時的に文化の場として開く今回の試み。なお、この場所では「Ikejiri Wart Fair」を皮切りに、約1ヶ月の暫定利用期間中、フィルムナイトやマーケットなどのイベントも予定されている。























