ジョーンズ、ラウシェンバーグ、ロスコらが集った「サロン」
本展のもうひとつの核となるのが、タイトルにも掲げられた「猪熊弦一郎のNYCサロン」だ。猪熊と妻の文子はニューヨークで幅広い交友関係を築き、日本から訪れる芸術家や建築家と、アメリカの前衛芸術を担う人物たちを結びつける社交の場を育んだ。
その交流には、ジャスパー・ジョーンズ、ロバート・ラウシェンバーグ、マーク・ロスコ、アレクサンダー・カルダー、イサム・ノグチ、ジョン・ケージ、マース・カニングハムらが含まれていた。本展では写真や書簡、芳名録などの資料を通して、こうした友情が国籍や表現領域を越えた芸術交流へと発展していった様子を紹介。1950〜70年代のニューヨークを形成した創造的なネットワークのなかに、猪熊を改めて位置づける。

ジャパン・ソサエティー・ギャラリーのシニア・ディレクター、ミッシェル・バンブリングは、ニューヨークが猪熊にとって「芸術の再創造を促す触媒」だったと説明。都市の建築や創造的なエネルギー、芸術家たちとの交流がその表現を新たな方向へ導くと同時に、猪熊夫妻が築いた友情が日米の文化コミュニティを結ぶ架け橋になったとする。アメリカ独立250周年を迎える2026年という機会に、猪熊をはじめニューヨークを拠点に活動した日本人アーティストが戦後アメリカ美術に果たした役割を再考する展覧会となる。
なお、開幕日の10月6日にはロバート・ラウシェンバーグ財団との協働によるシンポジウムも開催。ノグチ美術館ディレクターのエイミー・ハウや美術史家の富井玲子、MIMOCA副館長兼チーフキュレーターの中田耕市らが登壇し、本展のテーマである戦後の芸術交流について議論する予定だ。
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