企画展「こどもとおとなの自由研究 もようわくわく²」(国立工芸館)開幕レポート。ポケモン×江戸小紋の作品が再びお披露目へ【3/3ページ】

「わからなさ」を楽しむ

 3つ目の展示室「きっちり・どっきり ~もようを生み出すわざに震える」では、素材と「わざ」が織りなす、独特の存在感を放つ工芸作品を紹介している。

 本章のポイントは、「わからなさ」ではないだろうか。模様を浮かび上がらせるための素材や手法の見当がつかないものも、作品のなかには見受けられる。ここでは、素材や製法を熟知した作家の成せる「わざ」が鑑賞者に投げかける新鮮な問いを楽しんでほしい。

「きっちり・どっきり ~もようを生み出すわざに震える」の展示風景より、松井康成《練上嘯裂文茜手大壺》(1981)
左から池田晃将《Error403》(2020)、《電光無量無辺大棗》(2022)
上原美智子《カスリ布》(1997)

 展示室のあいだにある小スペースでは、染色家・芹沢銈介(1895〜1984)の作品の数々を、「もよう」という切り口で特集している。2015年に同館に寄贈された芹沢作品167件430点のなかから、その遊び心満点の「もようわくわく」を選りすぐって展示。花鳥風月、人間、文字、日用品などありとあらゆるものをモチーフとしており、戦後に彫られた型紙は1万点以上にも及ぶという。

芹沢銈介による色鮮やかな作品群と型紙が展示されている
芹沢が手がけたうちわとマッチ箱

 また、「自由研究」をテーマとした子供向けの鑑賞グッズやワークショップ企画も用意されている。出展作品の写真とともにその魅力や鑑賞のヒントを伝えるワークブック(中学生以下を対象に無料配布)や、視点を絞ってじっくり観察するためのツール「ジロメガネ」。子供たちが得た気づきや成果をイラストとキーワードで表現し、ほかの来場者と共有できる「ずかんカード」の展示といったユニークな取り組みも実施される。

 さらに、Adobe Foundationの支援のもと企画された「もようわくわくワークショップ」「珠洲をおもう やきものワークショップ」も会期中に開催。参加は無料となるため、足を運ぶ際はぜひ公式ウェブサイトをチェックしてみてほしい。

作品の魅力や鑑賞のヒントを伝えるワークブック
視点を絞って展示作品をじっくり観察するための「ジロメガネ」

編集部