国立工芸館で企画展「こどもとおとなの自由研究 もようわくわく²」が開催。「もよう」をテーマに工芸の名品を観察する【2/2ページ】

3つの視点から工芸における「もよう」の広がりを観察する

 会場は3つの展示室で構成され、それぞれ異なるアプローチから「もよう」の魅力を紐解いていく。

 「いき・もの ~もようが紡ぐ日々のかがやき」では、動植物などの自然から着想を得て図案化された「もよう」と、そこに込められた人々の願いやストーリーを読み解く。例えば、衣服や調度品に施された吉祥文様などを通じて、古くから人々が「もよう」に託してきた、豊かな暮らしや幸せへの祈りに触れることができる。

北村武資《経錦帯「春苑」》(部分、2012) 国立工芸館 撮影:斎城卓
松田権六《蒔絵螺鈿有職文筥》(1960) 国立工芸館 撮影:斎城卓

 「いっこ・いっぱい ~構成力でもようの魅力を拡張する」では、工芸作品に施された「もよう」の「数」に注目。あえて1つだけ主役として描かれたものと、パターンとして無数に繰り返されるもの。その配置や構成の意図を想像しながら鑑賞する楽しさを提案する。

 また、本章では2023年に同館で開催された「ポケモン×工芸展ー美とわざの大発見ー」の出品作「ポケモン×江戸小紋」が、巡回中に登場した新作とともに再びお披露目されるのも大きな見どころだ。

石黒宗麿《白地黒絵魚文扁壺》(1940-41頃) 国立工芸館 撮影:斎城卓
小宮康義《江戸小紋 着尺「ゲンガー・ゴースト」》(部分、2022) ©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./ GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。 撮影:斎城卓

 「きっちり・どっきり ~もようを生み出すわざに震える」では、大胆さと緻密さが同居し、独特の存在感を放つ工芸作品を展示する。幾何学的なパターンや、素材の特性を極限まで活かした表現など、卓越した技術と徹底したこだわりが生み出す視覚的効果を紹介。作家たちの圧倒的な手技と情熱を間近で体感できる構成となっている。

松井康成《練上嘯裂文茜手大壺》(部分、1981) 国立工芸館 撮影:斎城卓
志村ふくみ《紬織着物 鈴虫》(1959、後期展示) 国立工芸館 撮影:米田太三郎

 「もよう」という身近な視点を通じて、工芸作品一つひとつに込められた意味や、作家たちの卓越した技に改めて目を向ける機会となりそうだ。

 さらに、館内のラウンジには人間国宝の黒田辰秋が手がけた長椅子や、彫刻家イサム・ノグチがライフワークとした照明「AKARI」シリーズも登場。実際に体験することで、いまなお評価される作品への理解を深めてみてはいかがだろうか。

黒田辰秋《欅拭漆彫花文長椅子》(部分、1949頃) 国立工芸館 撮影:斎城卓

編集部

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