改修中の市原湖畔美術館で開催される劇場型個展シリーズ。第2弾は笹岡由梨子

今年の1〜4月の改修工事に伴い、完全休館していた千葉県市原市の市原湖畔美術館。9月まで部分的に開館し、作風の異なる2組のアーティストによる劇場型の連続個展を開催する。第2弾は笹岡由梨子。会期は7月18日〜9月23日。

 千葉県市原市にある市原湖畔美術館は、今年の1〜4月の期間、改修工事に伴い完全休館していた。5〜9月までは部分的に開館し、作風の異なる2組のアーティストによる劇場型の連続個展を開催する。第1弾の竹内公太に続く第2弾は、笹岡由梨子による「暗闇をくぐってみたら Part2 笹岡由梨子展『渦巻』」。会期は7月18日〜9月23日。

 笹岡由梨子は1988年大阪府生まれ、現在滋賀県在住。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程メディア・アート領域満期退学。京都府文化賞奨励賞(2020)、咲くやこの花賞(2020)、Kyoto Art for Tomorrow 2019 ―京都府新鋭選抜展最優秀賞など、受賞多数。近年の主な展覧会に「笹岡由梨子のパラダイス・ダンジョン」(滋賀県立美術館、2026)、「Animale」(PHD Group、2025)、「プラカードのために」(国立国際美術館、2025)など。

笹岡由梨子《Polonia》(2026) 撮影:麥生田兵吾
笹岡由梨子《タイマツ》(2026) 撮影:麥生田兵吾
笹岡由梨子《タイマツ》(2026) 撮影:麥生田兵吾

新作のビデオ・インスタレーションも

 同館に隣接する高滝湖の底には、かつてダム建設によって沈んだ110戸の村があった。笹岡は、そこに住んでいた住人へのインタビューや記録写真といった「土地の記憶」を手がかりに、新作ビデオ・インスタレーションを発表する。ミュージアムショップの奥にある秘密の入り口をくぐった先にある展示室で、ビデオ作品《隣人》が上映。映像内では、ダム建設に伴い移住を余儀なくされた村人たちの当時の写真を参照するかたちで、笹岡自身が村人たちを演じ、自ら作詞作曲した歌をうたう。写真という記録媒体に残された断片的な痕跡を、身体表現とインスタレーションによって再構成し、もうひとつの地域史を立ち上げる。

 地下の展示空間には、同館の前身である「市原市 水と彫刻の丘」の構想の基となった「水中彫刻公園」に触発されたインスタレーションが登場。遊戯性と追悼性の両義性をあわせ持つ空間をつくり出し、土地の歴史と現代美術の新たな関係性を提示する。

 なお本展開催を記念した関連イベントとして、笹岡が登壇するスペシャルトークのほか、ダム建設に伴い移住を余儀なくされた村人たちを撮影してきた写真家・加藤清市と、「水中彫刻公園」構想を提唱した三好敏弘を迎えたトークセッション「湖の底に、あった世界、ありえたかもしれない世界」が開催される。

編集部

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