三連休に見たい展覧会ベスト18。笹本晃、岡山芸術交流、千葉国際芸術祭にミナ・ペルホネンまで【2/6ページ】

千葉国際芸術祭2025

展示風景より、藤浩志《33年後のかえる》

 千葉市内各所で、「千葉国際芸術祭2025」が開催されている。会期は11月24日まで。会場レポートはこちら

 初回となる今回は、アーティストであり東京藝術大学美術学部教授の中村政人を総合ディレクターに迎え、「ちから、ひらく。」をコンセプトに展開。国内外から選ばれた32組のアーティストが参加し、地域の多様な主体による単独プロジェクト5本を含め、全37本のアートプロジェクトが実施されている。これらのプロジェクトは、作品発表にとどまらず、地域住民との協働によって実現される「市民参加型アートプロジェクト」であることが大きな特徴となっている。

 芸術祭の目的は、観光振興にとどまらず、市民一人ひとりの創造性を育み、地域における持続的な文化の土壌を築くこと。芸術祭が地域における持続的な文化創造の礎となり、千葉市の「人づくり」「まちづくり」「未来づくり」に寄与することを目指した。

会期:2025年9月19日~11月24日
会場:千葉市内各所
住所:千葉県千葉市内各所
観覧料:無料

「小出楢󠄀重 新しき油絵」(大阪中之島美術館

小出楢󠄀重 卓上静物 1928 京都国立近代美術館

 大阪中之島美術館で「小出楢󠄀重 新しき油絵」が11月24日まで開催されている。

 小出楢󠄀重(1887〜1931)は大阪生まれ。東京美術学校を卒業後、二科展に《Nの家族》を出品し画壇にデビューした楢󠄀重は、43歳で急逝するまで日本人としての油彩画を追求し続け、静物画や裸婦像において数々の傑作を残した。「裸婦の楢󠄀重」と呼ばれるように裸婦像の名手として知られ、とくに1926年の芦屋への転居後約5年のうちに制作された作品群では、大胆なデフォルメと艶やかな色彩により日本人女性の裸体を独自の造形美へと高めている。

 本展では、初期から晩年までの画業を各時代の代表作とともにたどり、楢󠄀重の油彩画の魅力に改めて迫る。また、素描、ガラス絵、装幀、挿絵、随筆なども紹介している。

会期:2025年9月13日~11月24日
会場:大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
電話:06-4301-7285
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉場の30分前まで
休館日:月(11月24日は開館)
観覧料:一般 1700円 / 高大生 1200円 / 中学生以下 無料

「没後50年 堂本印象 自在なる創造」(京都国立近代美術館

展示風景より

 京都国立近代美術館で「没後50年 堂本印象 自在なる創造」が11月24日まで開催されている。会期は11月24日まで。会場レポートはこちら

 堂本印象(1891〜1975)は、1918年に京都市立絵画専門学校に入学し、20年には西山翠嶂が主宰する画塾「青甲社」に入門。第1回帝展に《深草》を出品して初入選、第3回帝展では《調鞠図》で特選を、第6回帝展では《華厳》で帝国美術院賞を受賞するなど、官展を中心に活躍した。細密な具象画を得意としたが、60歳を過ぎて渡欧して以降は抽象的な作風に転じ、筆のストロークを活かした躍動感あふれる抽象画を展開した。

 本展では、官展に出品された代表作をはじめとする作品群によって、具象から抽象へと至る創造の軌跡をたどり、その画業の全貌に迫る。京都画壇にとどまらず、全国的に知られた堂本印象の多様な表現の変遷を紹介している。

会期:2025年10月7日~11月24日
会場:京都国立近代美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
電話番号:075-761-4111 
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1500円 / 大学生 700円 / 高校生以下・18歳未満 無料

編集部