今週末に見たい展覧会ベスト8。アンゼルム・キーファーから大正イマジュリィ、ネルホル展まで【4/4ページ】

「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」(パナソニック汐留美術館) 

ピクチャレスク

 パナソニック汐留美術館で「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」が7月12日から開催される。

 近現代の陶芸をテーマとした企画展を継続して開催してきた同館。本展は、陶芸と絵画的表現の交差に焦点をあて、アートとしての魅力を探るものだ。様々な陶芸作品の色やかたち、モチーフから、ときにジャンルを横断して創作に挑む作者の思考や芸術観を紡ぎ出すことを試みる。

 個人作家による創作陶芸の礎を築いたとされる富本憲吉やバーナード・リーチ、民藝運動を推進したことでも知られる河井寬次郎や濱田庄司に始まり、伝統的な技術を革新した陶芸家、前衛陶芸の旗手、茶陶の名手、イギリスやデンマークの作家、1960年代から80年代生まれのアーティストまで、約50名の作家が並ぶ。総計約120作品による新たな共演を堪能してほしい。

会期:2025年7月12日~9月15日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(8月1日、8月29日、9月12日、9月13日は〜20:00) ※入館は閉館30分前まで。土日祝は日時指定予約制
休館日:水(ただし、9月10日は開館)、8月12日~8月15日
料金:一般 1200円 / 65歳以上 1100円 / 大学・高校生 700円 / 中学生以下、障がい者手帳をご提示の方および付添者1名まで 無料

「Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness」(埼玉県立近代美術館

 埼玉県立近代美術館で、アーティストデュオ・Nerhol(ネルホル)の展覧会「Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness」が7月12日から開催される。

 本展は、ネルホルの最新作および未発表作を含む約80点を通じて、彼らの多層的な探究の現在地を紹介する。ネルホルは、グラフィックデザイナーの田中義久と彫刻家の飯田竜太により2007年に結成され、写真と彫刻、可視と不可視、自然と社会といった多様な領域を横断しながら独自の表現を展開してきた。近年は、他者の思想や異なる分野と接続することで、表現の深度と射程をさらに広げている。

 タイトルに掲げられた「種蒔きと烏」は、行為の正しさや意味を一義的にとらえることへの問いを含み、ネルホルの一貫した視点を象徴する。本展では、物事の二面性や揺らぎに焦点を当て、見る者の日常の感覚に静かな揺さぶりをもたらす作品群が展開される。

会期:2025年7月12日~10月13日
会場:埼玉県立近代美術館
住所:埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
電話番号:048-824-0111
開館時間:10:00 ~ 17:30 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、7月21日、8月11日、9月15日、10月13日は開館)
料金:一般 1400円 / 大学・高校生 1120円 / 中学生以下、障がい者手帳をご提示の方および付添者1名まで 無料