例えば、木彫を中心に愛らしさや恐れなどを内包した作品を制作している中村萌の《Whirling Journey》は、頭の中でめぐる思考や空想、その先にある希望を形にしたもの。1本の楠の丸太を原型にしており、その力強いフォルムが生かされた。中村にとって屋外展示の作品は今回が初めてとなった。

山本桂輔は「ものをつくる、想像する、思考する」ということへの関心を軸に、彫刻・絵画を制作している。《眠りながら語らい、歌う》と題された本作は、植物や動物、鉱物などを想起させるモチーフが複雑に絡み合っており、地底の生命の営みを大地、そして空へとつなげようとするものだ。

佐藤正和重孝は、黒御影などの硬質素材の特性を活かし、甲虫を「神化」した作品を手がけるアーティスト。《Symbiosis(共生)》は、フンコロガシが何かを運んでいる光景がモチーフ。環境浄化としてのフンコロガシの行為を讃えるとともに、都会にはない光景を出現させた。

鋳造による大型彫刻などを手がけるイワタルリの《No.2506031》は、鋳込みガラスとコールテン鋼、板ガラスで構成されたもの。ガラスという素材そのものの存在感を強く感じさせるものだ。

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