街行く人々を見つめる巨大な「目」。宮下芳子《新宿の目》(新宿駅西口地下広場)
多くの人々が行き交う新宿駅西口の地下広場。ここで半世紀にわたり、人々を見つめてきたのが、宮下芳子による《新宿の目》(1969)だ。
同作が制作されたのは1969年。瞳の高さは3.4メートル、横幅は10メートルにもおよぶ大作で、作品の内部には照明が埋め込まれており、瞳の部分が回転する仕様。一時はスバルビル解体に伴う撤去疑惑が起こり、2019年7月には一部が破壊されるという事件が発生するなど、様々に翻弄されてきた作品だ。新宿を長年にわたり見つめ続けてきた巨大な目。今後もこの街のアイコンとして存在し続けることが期待される。
住所:東京都新宿区西新宿1-7-1
新宿で「愛」を見つめる。ロバート・インディアナ《LOVE》(新宿アイランド)
2018年5月、89歳でこの世を去った巨匠、ロバート・インディアナ。その代表作が、活字体を彫刻にした「LOVE」シリーズだ。
インディアナはアメリカ社会の実像を描くことを使命に、自身の出身州であった「インディアナ」をアーティストネームとして使用。初期作品では交通標識や会社のロゴなどを取り入れ、アメリカを象徴する言葉や数字、記号を使った絵画を制作していたが、66年からはのちに代表作となる彫刻シリーズ「LOVE」の制作をスタートさせた。明快な色彩と活字体で「LOVE」をかたどったこのシリーズは、ニューヨーク、台北、バンクーバーなど世界各地の街角に設置。「Poeple’s Painter(人々のための画家)」として「愛」や「平和」を謳ったこの作家の代表作をいま一度見つめたい。
住所:東京都新宿区西新宿6-5-1