山梨県立美術館で特別展「ポップ・アート 時代を変えた4人」が開催。全点日本初公開【2/2ページ】

 第1~3章ではポップ・アートを様々な観点から掘り下げる内容となるが、第4章以降で各アーティストに焦点を当てた展開となる。まず初めにコミックストリップのイメージを引⽤した絵画制作で有名なロイ・リキテンスタインが紹介される。レタリングや吹き出しを絵画に盛り込んだだけでなく、コミックで多⽤される印刷技法のベンデイ・ドットを制作に取り込むなど新しい取り組みを行ったリキテンスタイン。本展ではリキテンスタインが参照した元のコミックも⼀部展⽰され、創作過程を垣間見ることができる。

 続いて、1962年に連作《キャンベル・スープ》を制作し、⼤量⽣産と反復をテーマにした作品が⼤反響を呼んだアンディ・ウォーホルの章となる。本展でマリリン・モンローの連作などを中⼼に、ウォーホルの代表的なイメージを概観できるような展示となる。

 そして⾝の回りのものを作品に取り込む《コンバイン》連作や、使い込んだ寝具に絵の具などを加えた《ベッド》で知られるロバート・ラウシェンバーグの章へと続く。振付師マース・カニンガムの舞踏団の⾐装や舞台美術を制作するといったコラボレーションも多いラウシェンバーグが、 1960 年代以降に取り組み始めた版画作品が展示される。

 アメリカ国旗をモチーフにした《旗》をエンコースティック(蝋画)などで表現したジャスパー・ジョーンズは、皆が「既に知っているもの」をモチーフとした作品を多数制作。本展では星条旗、標的など、ジョーンズの代表的なモチーフを含む版画作品が展⽰される。

 ほかにも、彼らと同時代に活躍したロバート・インディアナ、ジェームズ・ローゼンクイスト、トム・ウェッセルマン、ジム・ダインもあわせて紹介され、日本初公開の作品を通じて、ポップ・アート作品をより深く知ることができる機会となるだろう。

 なお会期中は、ポップ・アート作品によく使われる版画技法であるシルクスクリーンのワークショップや、担当学芸員によるギャラリートークなどの関連イベントが開催される。

編集部