2025年は、20世紀後半のアメリカ美術を代表するひとり、ロバート・ラウシェンバーグ(1925〜2008)の生誕100周年にあたる。この節目にあわせ、来年は彼に関連する展覧会やイベントが、世界各地で計画されている。
ラウシェンバーグは、絵画とオブジェを組み合わせた「コンバイン」シリーズでよく知られているが、生涯にわたり様々なテーマやスタイル、媒体、技法を探求し続けた、実験的な作家であった。他分野のクリエーターや職人とのコラボレーションも積極的に行い、ジャンル横断的なアプローチで、つねに新しい表現を追求した。異なる文化の表現にも関心が高く、海外での発見や人々との交流も、重要なアイデアの源泉であった。
ラウシェンバーグは、アートは社会の発展に重要な役割を果たすという信念から、国際的なプロジェクトや慈善活動を進めるための母体として、自ら「ロバート・ラウシェンバーグ財団」を1990年に設立した。彼が他界した後の2012年、同財団はラウシェンバーグの功績と遺志を次世代に受け継いでいく機関として再出発し、これまでに、奨学金、助成金、レジデンシープログラムなどの提供を行ってきた。そしていま、ラウシェンバーグ生誕100周年となる来年に向け、ほかの文化施設や団体などと連携しながら、数々の展覧会やイベントの開催準備を進めている。