2025年はラウシェンバーグ生誕100周年。大規模回顧展やカタロガレゾネも

2025年、20世紀アメリカ美術を代表するひとり、ロバート・ラウシェンバーグの生誕100周年を迎える。記念展覧会や出版物、レジデンシープログラムなど、彼の功績と遺志を未来に継承するための様々な取り組みが予定されている。

文=國上直子 All photos courtesy of Robert Rauschenberg Foundation

ロバート・ラウシェンバーグと《ストリッパー》(1962) ブロードウェイのスタジオにて、1962年 ロバート・ラウシェンバーグ財団アーカイブ(ニューヨーク)写真コレクション 撮影者不明

 2025年は、20世紀後半のアメリカ美術を代表するひとり、ロバート・ラウシェンバーグ(1925〜2008)の生誕100周年にあたる。この節目にあわせ、来年は彼に関連する展覧会やイベントが、世界各地で計画されている。

 ラウシェンバーグは、絵画とオブジェを組み合わせた「コンバイン」シリーズでよく知られているが、生涯にわたり様々なテーマやスタイル、媒体、技法を探求し続けた、実験的な作家であった。他分野のクリエーターや職人とのコラボレーションも積極的に行い、ジャンル横断的なアプローチで、つねに新しい表現を追求した。異なる文化の表現にも関心が高く、海外での発見や人々との交流も、重要なアイデアの源泉であった。

ロバート・ラウシェンバーグ ビタミン 1960/1968
コンバイン:油彩、印刷された紙、厚紙、ゴム、プラスチック、釘、フック、キャンバス
154.3 × 138.8 × 17.9 cm
Galerie Thaddaeus Ropac、ザルツブルク、パリ、ロンドン、ソウル

 ラウシェンバーグは、アートは社会の発展に重要な役割を果たすという信念から、国際的なプロジェクトや慈善活動を進めるための母体として、自ら「ロバート・ラウシェンバーグ財団」を1990年に設立した。彼が他界した後の2012年、同財団はラウシェンバーグの功績と遺志を次世代に受け継いでいく機関として再出発し、これまでに、奨学金、助成金、レジデンシープログラムなどの提供を行ってきた。そしていま、ラウシェンバーグ生誕100周年となる来年に向け、ほかの文化施設や団体などと連携しながら、数々の展覧会やイベントの開催準備を進めている。

ラウシェンバーグの多面性を振り返る展覧会が世界中で開催

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