「須田悦弘展」(渋谷区立松濤美術館)
東京・渋谷の渋谷区立松濤美術館で、美術家・須田悦弘の個展「須田悦弘展」が2月2日まで開催されている。レポートはこちら。
須田は1969年山梨県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。上京をきっかけに、都市のなかの自然のありように注目するようになり、その木彫によって生み出される精巧な植物の彫刻作品は、インスタレーションとして展示されることが多い。93年、移動式の展示空間をリヤカーで引き、銀座の道路沿いのパーキングメーターに駐車、展示する「銀座雑草論」でキャリアをスタート。以後、原美術館、アサヒビール大山崎山荘美術館、国立国際美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館など数々の美術館・ギャラリーで作品を発表してきた。
本展は、須田にとって東京都内の美術館では25年ぶりとなる個展。建築家・白井晟一による独創的な建築で知られるこの渋谷区立松濤美術館で、須田の植物作品や初期作品、ドローイング、さらに近年取り組んでいる古美術品の補作までを展示することで、その全容にせまる展覧会となっている。
会期:2024年11月30日~2025年2月2日
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
電話番号:03-3465-9421
開館時間:10:00~18:00(金~20:00)
休館日:月
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 高校生・60歳以上 500円 / 小中学生 100円
「バグスクール2024:野性の都市」(BUG)
東京・八重洲のBUGで、展覧会「バグスクール2024:野性の都市」が2月2日までの開催となっている。キュレーションは池田佳穂(インディペンデント・キュレーター)。
「バグスクール」は、グループ展と参加型プログラムを組みあわせたアートプロジェクト。アーティストと学びあうなかで、有機的な作品購入体験も目指すものだ。BUGの活動方針のひとつであるキャリアの支援にもとづき、作品販売経験の少ないアーティストにその機会を提供。作品販売に関する書類作成や、価格やサイズの検討などのプロセスにも関わり、アーティストの活動の幅を広げる支援を実施する。また、売上はアーティスト収入分、配送経費等を除いた全額が「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付される。
本展の参加アーティストは宇田川直寛、黒川岳、ちぇんしげ、時吉あきな、トモトシ、中田愛美里、平松可南子の7名。BUGの周辺環境に身体を介入させて都市との関わりを考えた作品や、東京駅周辺だけではなく都市風景の隅っこや見えない気配からイメージを膨らませた作品、都市に住む生物や往来する人々に焦点を当てた作品、さらに都市のなかで生きるアーティスト自らの生活に向きあった作品など、バラエティ豊かな新作が展示されている。
会期:2024年12月18日〜2025年2月2日
会場:BUG
住所:東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー 1F
開館時間:11:00〜19:00
休館日:火
料金:無料
今週開幕
「総合開館30周年記念 恵比寿映像祭2025『Docs ―これはイメージです―』」(東京都写真美術館 ほか)
東京都写真美術館をはじめとする周辺施設で、恵比寿映像祭2025が開催される。会期は1月31日~2月16日。
同館の総合開館30周年を記念して開催される今回の恵比寿映像祭のテーマは「Docs ―これはイメージです―」。メディアの変容に着目し、幅広い作品群をイメージと言葉からひも解くことで、「ドキュメント/ドキュメンタリー」を再考することを試みるという。
館内では各フロアにおいて、国内外で活躍するアーティストによる映像、写真、資料などのパフォーマンスや身体性と関連する作品群や、第2回となる「コミッション・プロジェクト」のファイナリストによる新作、東京都コレクションの展示および上映、パフォーマンス、ライブ、トーク、ワークショップなどのプログラムを実施予定。これらを通じて、19世紀から現代に至る様々な表現を紹介し、時間を記録することに焦点を当てながらアーカイヴを掘り下げ、言葉とイメージの問題をひも解いていくものとなる。
会期:2025年1月31日~2月16日 ※コミッション・プロジェクト(3F展示室)は3月23日まで
会場:東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか
開館時間:10:00〜20:00(1月31日~2月15日、最終日は〜18:00)
休館日:月
料金:入場無料 ※一部のプログラム(上映など)は有料
「CURATION⇄FAIR Tokyo」(kudan house ほか)
展覧会と、厳選されたギャラリー・美術商によるアートフェアの2部で構成されるアートイベント「CURATION⇄FAIR Tokyo」。その展覧会が2月1日より開幕する(アートフェアは2月22日から)。昨年の展覧会レポートはこちら、アートフェアのレポートはこちら。同イベントのキーパーソンらに実施したインタビューはこちら。
「CURATION⇄FAIR Tokyo」は、東京の登録有形文化財である「kudan house(九段ハウス)」(旧山口萬吉邸)を舞台に昨年初開催され、大きな注目を集めた。今回も展覧会とアートフェアという昨年の枠組みは引き継がれ、kudan houseをメイン会場に、アートを楽しみ、購入することができるものとなっている。
出展者には古美術・工芸・近代美術・現代美術を取り扱う約20軒のギャラリー・美術商が参加。前回に引き続きシニアアドバイザーを山本豊津が、キュレーターを遠藤水城が務める。
会期:[展覧会]2025年1月31日〜2月16日、[アートフェア]2月22日〜24日
会場:kudan house、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町, ラグジュアリーコレクションホテル、赤坂プリンス クラシックハウス、九段会館テラス
料金:公式サイトを参照のこと
特別展「魂を込めた 円空仏 —飛騨・千光寺を中心にして—」(三井記念美術館)
東京・日本橋の三井記念美術館で、特別展「魂を込めた 円空仏 —飛騨・千光寺を中心にして—」が2月1日より開催される。
江戸時代の山林修行僧・円空は、愛知、岐阜を中心に関東、北陸、さらに北海道までを巡り、各地に木彫の神仏像いわゆる「円空仏」を多数残した。現存するその数は約5000体あまりとも言われている。
本展では、9つの視点からその円空仏を紹介する。円空の「削り跡」に注目し、現代彫刻にも通ずる造形の魅力を深掘りするほか、岐阜県千光寺の《両面宿儺像》も日本橋で初めて展示される。
会期:2025年2月1日〜3月30日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし 2月10日、2月24日は開館)、2月23日
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料