金融大手の三菱UFJ フィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が、若手工芸作家の作品展示・販売機会等を支援する「KOGEI ARTISTS LEAGUE」を開催する。
MUFGは昨年、日本の伝統的な工芸の文化や技術の継承を支援し、そこから変化の時代に必要なイノベーションを学ぶことを目的とした「MUFG工芸プロジェクト」を発足。金融大手が工芸支援に乗り出すことは大きなインパクトを与えた。今回の「KOGEI ARTISTS LEAGUE」は同プロジェクトの一環だ。
MUFGは、工芸作品のつくり手が作品発表・販売を行える機会が少ないという課題に対し、若手作家を対象に作品づくりにおける革新や、展示・販売等を支援するプロジェクト「KOGEI ARTISTS LEAGUE」を開催するに至ったとしている。
「KOGEI ARTISTS LEAGUE」の第一弾は、関東甲信越・北陸地区の若手作家に対し、2024年12月2日~25年1月10日の期間中に作品のエントリーを受け付ける。最終選考を経て選出される約20名(予定)のファイナリストには、25年8月に東京・日本橋三越本店で開催予定の展示販売会に参加する機会と、奨励金20万円などを提供する。
特徴的なのはサポート体制だ。「KOGEI ARTISTS LEAGUE」には総合監修の秋元雄史・東京藝術大学名誉教授をはじめ、青木千絵(漆彫刻家/金沢美術工芸大学工芸科漆・木工コース准教授)、上出惠悟(画家・工芸家)、桑田卓郎(アーティスト)、佐々木類(美術家/ガラス作家)、須藤玲子(テキスタイルデザイナー)、舘鼻則孝(現代美術家)、四代 田辺竹雲斎(竹工芸家/Artist)、田山貴紘(kanakeno)、中川周士(中川木工芸比良工房)、中田真裕(漆芸作家)、中村弘峰(人形師)、細尾真孝(株式会社細尾)、牟田陽日(陶芸家/美術作家/九谷焼作家)ら、工芸のカテゴリーを横断して世界で活躍する13名がサポーターとして選考や交流会に参加。若手作家たちの創作活動を支援する。また、東京展示販売会初日には全サポーターが参加し、サポーターの作品展示・販売も実施する予定だ。
秋元はこのプロジェクトに際し、「自分の中にある想像力を最大限に生かして、自分が考えるものづくりや工芸の頂点を作品を通してぜひ見せてください。新しい時代の才能とそこから生まれるクリエイティブな説得力を肌で直に感じてみたい。新しさをぜひ感じたい」とメッセージを寄せている。