今週末に見たい展覧会ベスト11。ルイーズ・ブルジョワ、ゴミうんち、六本木アートナイトから浮世絵お化け屋敷まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

第1章「私を見捨てないで」の展示風景より、手前は《かまえる蜘蛛》(2003)

もうすぐ閉幕

「Rhizomatiks Beyond Perception」(KOTARO NUKAGA〈天王洲〉

展示風景より 画像提供=KOTARO NUKAGA

 6月末に東京・天王洲のTERRADA ART COMPLEX Iの3階にあるギャラリーをTERRADA ART COMPLEX IIの1階に移転させた「KOTARO NUKAGA(天王洲)」。今回の拡張移転とともに、真鍋大度と石橋素が主宰するクリエイティブコレクティブ・Rhizomatiks(以下、ライゾマティクス)の個展「Rhizomatiks Beyond Perception」が9月28日まで開催されている。レポートはこちら

 本展は、ライゾマティクスによるギャラリーでの初の大規模な展覧会。「AIと生成芸術」をテーマとし、AIモデルがどのように学習し新しいイメージを生成するかを可視化しながら、アートとAIの融合が表現や作品のあり方にどのような新しい可能性をもたらすかという問題を提起する。

会期:2024年6月29日〜9月28日
会場:KOTARO NUKAGA(天王洲)
住所:東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 1F
開館時間:11:00〜18:00
休館日:日月祝
料金:無料

「浮世絵お化け屋敷」(太田記念美術館

展示風景より、歌川国貞(三代豊国)《見立三十六歌撰之内 藤原敏行朝臣 累の亡魂》(1852)

 東京・神宮前の太田記念美術館で開催中の「浮世絵お化け屋敷」展後期会期が9月29日で閉幕する。担当学芸員は日野原健司(同館主席学芸員)。前期のレポートはこちら

 同館では、2017年の「月岡芳年 妖怪大図鑑」をはじめ、定期的に幽霊やお化けを題材とする夏ならではの展覧会を開催してきた。本展では、歌川国芳、そして月岡芳年や歌川国貞といった歌川派の人気浮世絵師による作品を前後期合わせて174点展示(前期は87点)。おどろおどろしい妖怪や幽霊から、ユーモアあふれる謎のお化けたちまで多様な作品が一堂に会する機会となっている。

会期:[前期]2024年8月3日〜9月1日、[後期]9月6日〜29日 ※全点展示替えあり
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:30〜17:30  ※入館は閉館の30分前まで
休館日:なし
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生(15歳)以下 無料

「今森光彦 にっぽんの里山」(東京都写真美術館

展示風景より

 写真家・今森光彦の個展「今森光彦 にっぽんの里山」が東京都写真美術館で9月29日まで開催されている。レポートはこちら

 今森は、滋賀県大津市生まれ。独学で写真を学び、世界の熱帯雨林や砂漠から、国内の自然環境まで、自然と人との関わりを美しい写真や映像、そして親しみやすい文章で伝え続けてきた。本展は、これまで今森が30年以上にわたり撮影してきた琵琶湖周辺から始まり、日本中の里山を取材するという新たなテーマのもと、約20年の歳月をかけて全国200ヶ所を撮影したなかから厳選した約190点を紹介するシリーズ最新展となる。

会期:2024年6月20日~9月29日
会場:東京都写真美術館 2階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00~18:00(木金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日の場合は開館、翌平日休館) 
料金:一般 700円 / 学生 560円 / 中高生・65歳以上 350円 / 小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料

「鴻池朋子展 メディシン・インフラ」(青森県立美術館

展示風景より

 絵画や彫刻、手芸、歌、映像、インスタレーションなど様々な表現手法を通し、芸術の根源的な問い直しを続けているアーティスト・鴻池朋子。その新たな個展「メディシン・インフラ」が、青森県立美術館で9月29日まで開催中だ。レポートはこちら

 鴻池は1960年秋田県生まれ。大学を卒業後、玩具、雑貨の企画デザインに携わり、98年よりアーティスト活動を開始した。近年は2015年の「根源的暴力」(神奈川県民ホールギャラリー)をはじめ、「ハンターギャザラー」(秋田県立近代美術館、2018)、「鴻池朋子 ちゅうがえり」(アーティゾン美術館、2020)、「みる誕生」(高松市美術館、静岡県立美術館、2022-23)など、すさまじいペースで大規模な個展を開催してきた。本展は、高松市美術館と静岡県立美術館につながるリレー展覧会の最終地点にあたるものとなる。

会期:2024年7月13日~9月29日
会場:青森県立美術館とその周辺野外、国立療養所松丘保養園 社会交流会館
住所:青森県青森市安田字近野185(青森県立美術館)、青森市石江字平山19(社会交流会館)
電話番号:017-783-3000 
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで / 社会交流会館 10:00〜16:00 
休館日:なし
料金:一般 1500円 / 高校・大学生 1000円 / 中学生以下無料 ※社会交流会館は無料

「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」(大阪市立東洋陶磁美術館

展示風景より、国宝《油滴天目茶碗》

 開館40周年の節目として、2022年2月よりエントランス棟の増築工事を行ってきた大阪・中之島の大阪市立東洋陶磁美術館(MOCO)が、4月12日にリニューアルオープン。それを記念した特別展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」も9月29日まで開催中となっている。レポートはこちら

 会場は、13の展示室に分かれており、同館所蔵の約5700件から珠玉の382件が展示されている。出展作品382件のうち《油滴天目茶碗》《飛青磁 花生》といった国宝2件も特別展示。《油滴天目茶碗》は、その特徴でもある斑紋と光彩をより美しく見せるための専用ケースで、360度鑑賞することも可能だ。

会期:2024年4月12日~9月29日
会場:大阪市立東洋陶磁美術館
住所:大阪市北区中之島1-1-26
電話番号:06-6223-0055 
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1600円 / 大学・高校生800円

今週開幕

「ルイーズ・ブルジョワ展」(森美術館

展示風景より、彫刻作品は《蜘蛛》(1997)

 日本において27年ぶりとなるルイーズ・ブルジョワの個展「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」が、森美術館で開幕した。レポートはこちら

 本展は、ブルジョワの国内最大規模の個展。昨年11月から今年4月にかけて、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館で開催されたブルジョワの大規模個展をもとに、ニューヨークのイーストン財団や東京から新たな作品を加えて再構成している。企画は椿玲子(森美術館キュレーター)、矢作学(森美術館アソシエイト・キュレーター)であり、イーストン財団キュレーターのフィリップ・ララット=スミスは本展の企画監修を務めている。

会期:2024年9月25日〜2025年1月19日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜22:00(火〜17:00、ただし12月24日、12月31日は〜22:00)
休館日:会期中無休
料金:[平日]一般 2000円 / [土・日・休日]一般 2200円ほか

「ゴミうんち展」(21_21 DESIGN SIGHT

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 東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで、企画展「ゴミうんち展」が開催される。会期は9月27日〜2025年2月16日。展覧会ディレクターは佐藤卓、竹村眞一。

 世のなかおよび自然界においてものはつねに循環しており、「ゴミ」や「うんち」もそのなかに含まれる。しかし、それらは汚いものとしてゴミ捨て場や水洗トイレのようなブラックボックスに隠され、我々は見向きもしないだろう。

 本展は、そういった社会問題にもなってしまっているこのふたつの存在にフォーカスするものだ。身の回りから宇宙までの様々な「ゴミうんち」を取り上げじっくり観察することで、社会問題だけではない側面を提示するという。

会期:2024年9月27日〜2025年2月16日
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
電話番号:03-3475-2121 
開館時間:10:00〜19:00(六本木アートナイト特別開館時間:9月27日、28日は〜22:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし、2月11日は開館)、年末年始(12月27日〜1月3日) 
料金:一般 1400円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料

「六本木アートナイト2024」(六本木周辺)

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 「都市とアートとミライのお祭り」をテーマに、「六本木アートナイト2024」が9月27日〜29日の3日間にかけて開催される。

 今回で13回目を迎える「六本木アートナイト」は、大都市東京における街づくりの先駆的なモデル創出を目的に、東京を代表するアートの祭典として継続されてきた。今年は、美術館をはじめとする文化施設、大型複合施設、商店街とも連携し、展覧会の特別プログラムや開館延長など連動企画も実施される予定となっている。

会期:2024年9月27日〜29日
コアタイム:9月27日 17:30~23:00 / 9月28日 16:00~23:00 / 9月29日 16:00~20:00 
会場:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
入場料:無料(ただし、一部のプログラムおよび美術館企画展は有料)

「TOKYO ARTSCAPES 2024」(無印良品 銀座)

 株式会社良品計画が、「無印良品 銀座」を拠点にとするアートイベント「TOKYO ARTSCAPES」を初開催する。会期は9月27日~11月24日。

「TOKYO ARTSCAPES」は、これまでIDÉEと無印良品が行ってきた暮らしにアートを取り入れる「日常芸術」をテーマにアート(=文化)を広げるプロジェクト「Life in Art」の一環として開催するイベント。「Exhibition」「Performance」「Fair」「Research」の4セクションで構成され、アートやリサーチなどを通じ日常を文化的に想像させる多様なコンテンツを展開するという。

 なお本企画は「OSAKA ARTSCAPES 2025」と題し、2025年5月30日~6月29日の期間、「無印良品 グランフロント大阪」を中心に、大阪・梅田~中之島エリアで巡回展を開催する。

「石岡瑛子 I デザイン」(兵庫県立美術館

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 兵庫県立美術館で、特別展「石岡瑛子 I(アイ)デザイン」が開催される。会期は9月28日~12月1日。

 石岡瑛子(1938~2012)は、日本のデザイナー、アートディレクター。1961年に資生堂宣伝部に入社し、前田美波里を起用したポスターなどで頭角を現し独立。70年代にはパルコ、角川文庫など時代を揺るがす数々のキャンペーンやファッションショーの演出、書籍デザインなどを手がけてきた。80年代初頭に活動の拠点をニューヨークに移して以降は、美術および衣装デザインなど、さらにボーダーレスに仕事の領域を広げ、舞台「M.バタフライ」でニューヨーク批評家協会賞、アルバム「TUTU」でグラミー賞、映画「ドラキュラ」でアカデミー賞を受賞するなど世界的評価を得てきた。

 本展では、石岡が東京を拠点にしていた1960~80年代の仕事を中心に、センセーションを巻き起こしたポスターやCM、アートワークからスケッチまでといった400点以上の作品が一挙公開される。

会期:2024年9月28日~12月1日
会場:兵庫県立美術館
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
電話番号:078-262-1011
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで 
休館日:月(ただし、10月14日、11月4日は開館)、10月15日、11月5日 
料金:一般 1600円 / 大学生1000円 / 70歳以上 800円 / 高校生以下 無料 / 障害者手帳等お持ちの方(一般)400円 / 障害者手帳等お持ちの方(大学生)250円

「森の芸術祭 晴れの国・岡山」(岡山県内の12市町村)

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 岡山県北部を中心とする地域において、新たな国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が開催される。会期は9月28日〜11月24日。アートディレクターを務めるのは長谷川祐子(金沢21世紀美術館館長)。

 本芸術祭は、かつて城下町、宿場町として栄えたこの地域に現存する伝統建築や自然から、エコロジー思考、新しい資本の可能性を探ろうとするもの。開催エリアは岡山県内の12市町村(津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町)にわたり、作品展示は津山(津山城周辺エリア、グリーンヒルズ津山エリア)、奈義(奈義町現代美術館周辺エリア)、新見(満奇洞・井倉洞エリア)、真庭(蒜山エリア)、鏡野(奥津エリア)。

 参加アーティストは国外18名・国内22名(岡山3名)の40名(13ヶ国)を予定している。ラインナップはこちら

会期:2024年9月28日〜11月24日
会場:岡山県内の12市町村(津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町)
鑑賞パスポート:一般 2500円(前売) 3000円(当日)/ 大学・専門学生 1500円(前売) 2000円(当日)
単館鑑賞券:一般・大学生・専門学生 700円

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