今週末に見たい展覧会ベスト14。カルダー、神護寺、エリザベス・ペイトンに春画まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「カルダー:そよぐ、感じる、日本」(麻布台ヒルズ ギャラリー)展示風景より、《Fafnir》(1968)

もうすぐ閉幕

「神護寺―空海と真言密教のはじまり」(東京国立博物館 平成館)

展示風景より、左から《月光菩薩立像》(平安時代、9世紀)、《薬師如来立像》(平安時代、8〜9世紀)、《日光菩薩立像》(平安時代、9世紀)

 京都市の北西部、高雄に所在する神護寺。その創建1200年を記念した特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」は、東京国立博物館 平成館で9月8日まで。レポート記事はこちら

 神護寺は、紅葉の名所として古くから知られてきた。824年に高雄山寺と神願寺がひとつになり、神護国祚真言寺(神護寺)が誕生。高雄山寺は平安遷都を提案した和気清麻呂の氏寺で、唐で密教を学んだ空海が帰国後、活動の拠点とした寺院だ。

 本展では、空海に直接関わる作品・国宝《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》や、寺外での史上初公開となった、神護寺の前身寺院にまつられていた国宝《薬師如来立像》などが展示。1200年を超える歴史の荒波を乗り越え伝わった、貴重な文化財を会場で堪能してほしい。

会期:2024年7月17日~9月8日 ※会期中、一部作品の展示替えを実施
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00(金土〜19:00、ただし8月30日、31日はのぞく) 
料金:一般 2100円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円

「カルダー:そよぐ、感じる、日本」(麻布台ヒルズ ギャラリー)

展示風景より

 東京では約35年ぶりとなるアレクサンダー・カルダー(1898〜1976)の個展「カルダー:そよぐ、感じる、日本」は、麻布台ヒルズ ギャラリーで9月6日まで。レポート記事はこちら

 本展は、ニューヨークのカルダー財団理事長でありカルダーの孫でもあるアレクサンダー・S・C・ロウワーのキュレーションによるもの。今年、麻布台ヒルズスペースをオープンするペース・ギャラリーの協力のもと、カルダーの代表作であるモビール、スタビル、スタンディング・モビールから油彩画、ドローイングなど、同財団が所蔵する1930年代から70年代までの作品約100点によって構成されている。

 展覧会は、1968年のカルダーの晩年の作品から始まり、初期作品に入り、そして晩年(1973年)の作品で終わるようにようにデザインされている。なかでも、1925年のドローイング群や1931年に展示されて以来一度も公開されたことがなかったという貴重な作品が紹介されている。ぜひ会場にて確かめてほしい。

会期:2024年5月30日〜9月6日
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階 
開館時間:10:00〜18:00(金土祝前日〜19:00) ※最終入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1500円(1300円) / 専門・大学生 1200円(1,000円) / 高校生 1000円(800円)
※()内はウェブからの事前予約料金

「ポケモン×工芸展 ─美とわざの大発見─」(MOA美術館)

国立工芸館(金沢)で開催時の展示風景より

 「ポケモン×工芸展 ─美とわざの大発見─」が、静岡・熱海のMOA美術館で9月9日まで開催されている。

 同展は、「ポケモン」と「工芸」ををかけわせるという「かがく反応」を楽しめる企画展。人間国宝を含む20名の作家がポケモンというモチーフに挑み誕生した約70体の「工芸ポケモン」が展示される。作品はすべて本展のためにつくられた新作だ。

 参加作家は池田晃将、池本一三、今井完眞、植葉香澄、桂盛仁、桑田卓郎、小宮康義、城間栄市、須藤玲子、田口義明、田中信行、坪島悠貴、新實広記、林茂樹、葉山有樹、福田亨、桝本佳子、水橋さおり、満田晴穂、吉田泰一郎。なお、本展は麻布台ヒルズギャラリーに巡回する

会期:2024年7月6日~9月9日
会場:MOA美術館
住所:静岡県熱海市桃山町26-2
電話:0557-84-2511(代表)
開館時間09:30~16:30 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般 1760円 / 高校・大学生 1100円 / 65歳以上 1540円 / 中学生以下 無料

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