GINZA SIXの中央吹き抜けにヤノベケンジ《BIG CAT BANG》が登場

東京・銀座で開業7周年を迎える商業施設「GINZA SIX」が、4月5日より春のプロモーション 「GINZA SIX DOKI DOKI 2024」を開催。中央吹き抜けの新たなアートとして、ヤノベケンジの《BIG CAT BANG》が登場する。

《BIG CAT BANG》イメージ

 これまで草間彌生塩田千春名和晃平などが巨大インスタレーションを手がけてきた、東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」の中央吹き抜けを飾るアート。その9代目として、ヤノベケンジの《BIG CAT BANG》が4月5日より展示される。展示期間は25年夏までを予定。

 ヤノベは1965年大阪府出身。京都市立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業。同大大学院美術研究科修了。大学院在学中の90年に、京都のアートスペース虹で、生理食塩水を入れたタンクの中へ鑑賞者が浸かり瞑想する体験型作品《タンキング・マシーン》を発表。また92年には椹木野衣キュレーションによるグループ展「Anomaly」(レントゲン藝術研究所、東京)に村上隆らとともに参加したことでも知られる。97年には、原発事故後のチェルノブイリにガイガーカウンターを搭載したヒト型放射線感知スーツ《アトムスーツ》を着て乗り込む「アトムスーツ・プロジェクト:チェルノブイリ」(1997)を実施。また、《トらやん》《ラッキードラゴン》《サン・チャイルド》など、時代の物語を包括し強烈なインパクトを持つキャラクターの巨大彫刻をつくり続けてきた。

 1970年の大阪万国博覧会の開催地である大阪で育ったヤノベは、幼少期に「廃墟化した万博」を体験した。そしてそこにそびえ立ち続ける《太陽の塔》は、ヤノベのクリエイションの起点となったという。 

 本作《BIG CAT BANG》は、2017年から制作されている、旅をしながら福を運ぶ猫「SHIP’S CAT」シリーズのひとつとなる作品。GINZA SIX中央の大きな吹き抜け空間を地球を含む銀河ととらえ、無数の宇宙猫が空を舞うという構造だ。また中央に浮かぶ宇宙船は、岡本太郎《太陽の塔》へのオマージュとなっている。ヤノベは本作で、ビッグバンから現在までの宇宙のダイナミズムを新しい生命の物語として紡ぎ出すとしている。

 なお、ヤノベは東京・南青山にある岡本太郎記念館で、個展「ヤノベケンジ:太郎と猫と太陽と」(仮)を7月12日〜11月10日の会期で開催する。

「BIG CAT BANG」キービジュアル

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