草月流の創設者・勅使河原蒼風の個展、タカ・イシイギャラリーで開催

いけばな草月流の創設者として知られる勅使河原蒼風。その個展が、東京・六本木のタカ・イシイギャラリーで開催される。会期は2月10日〜3月16日。

勅使河原蒼風 曼陀羅 1978 六曲一隻屏風 墨、(金箔)、絹 175.5x369.8x1.8cm (C) Sogetsu Foundation / Courtesy of Sogetsu Foundation and Taka Ishii Gallery / 撮影=髙橋健治

 東京・六本木のタカ・イシイギャラリーで、勅使河原蒼風(てしがわら・そうふう、1900〜1979)の個展が開催される。会期は2月10日〜3月16日。

 いけばな草月流の創設者である勅使河原は、戦後の前衛いけばな運動を主導するだけでなく、国内外の同時代の現代美術とも接続し、造形作家としてそれを牽引した稀有な存在。蒼風は華道家・勅使河原久次の長男として1900年に生まれる。幼いときからいけばなの指導を受け、卓越した才能を発揮し注目を集めるが、形式主義的なそれまでのいけばなに疑問を持ち、父と決裂して1927年東京にて草月流を創流。従来のいけばなを大いに逸脱する、戦後の「前衛いけばな運動」を小原豊雲、中川幸夫らとともに主導した。

 50年代から70年代にかけては国内のみならず欧米各地でいけばなの展覧会やデモンストレーションを精力的に行う傍ら、多数の彫刻、絵画、書、コラージュ作品を制作。実験工房、アンフォルメル、具体美術協会などの戦後前衛芸術運動とも交流し、息子・宏のディレクションのもと草月アートセンターにて「ジョン・ケージとデヴィッド・テュードアのイヴェント」(1962年)や「マース・カニングハム・ダンス・カンパニー」来日公演(1964年)を行うなど、幅広い前衛芸術を日本に紹介した。  

 同ギャラリーでの2回目の個展となる本展では、屏風に描かれた書や「富士山」を主題とした絵画など、平面作品を中心に作品約15点が紹介される。なお勅使河原蒼風は近年再評価が進んでおり、今年3月に開催される「第8回横浜トリエンナーレ」にも参加する。

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