都市のなかの自然のありように注目して作品を制作するアーティスト・須田悦弘。その個展「須田悦弘 補作と模作の模索」がロンドンギャラリー白金とギャラリー小柳の共同企画展として開催中だ。会期は6月24日まで。
須田は1969年山梨県生まれで、現在は東京を拠点に活動するアーティスト。本物と見紛うほど精緻な草や花の木彫をつくり、それを思いがけない場所に設置して空間全体をインスタレーションとする作品を制作している。
現代アーティストの杉本博司によってタイトルを命名された本展では、いままで須田が制作してきた作品群を自然を模する作品、すなわち「模作」と呼称。それらに加え、近年注目を集めている須田の「補作」の仕事もあわせて紹介するというものだ。杉本博司が選んだ骨董の器にあわせて須田の作品は制作されており、杉本のお題に対して須田がどのように作品を通じて応答するのかがが見どころと言えるだろう。
ほかにもロンドンギャラリー白金では、ロンドンギャラリー所蔵の仏教美術や古美術の須田による補作の作例を、ギャラリー小柳では杉本博司のコレクションおよび小田原文化財団所蔵の補作の作例も展示されているため、こちらもあわせて鑑賞したい。