街の景観のために地中化が望まれる電柱や電線。今回、そんな電柱・電線を通して東京を新たな視点で見つめなおす展覧会「電線絵画展 -小林清親から山口晃まで」が、練馬区立美術館で開催される。会期は2月28日~4月18日。
本展では、電柱や電線の雑然感こそ、人々が幼い頃から慣れ親しんだ故郷や都市のありのままの風景であり、ノスタルジーとともに刻み込まれている景観だとする。明治初期から現代に至るまでの電線・電柱が果たした役割と、各時代ごとに絵画化された作品の意図を検証し、読み解くことを試みる展覧会だ。
本展は、日本画、油彩画、版画、現代美術作品など合わせて約130点で構成。文明開化の象徴である電信柱を画面中央に据えた小林清親や、東京が拡大していく証として電柱を描いた岸田劉生、近代都市の表象としてキャンバスに架線を走らせる小絲源太郎、電線と架線の交差に幻想を見出し、「ミスター電線風景」と呼ばれる朝井閑右衛門らの作品が並ぶ。