弘前れんが倉庫美術館、2021年度はケリス・ウィン・エヴァンスのコミッションワークを軸に展覧会を構成

今年開館した青森県弘前市の弘前れんが倉庫美術館は、2021年度のプログラムを発表。ケリス・ウィン・エヴァンスによる新作コミッションワーク(委託制作)を基点に、複数のアーティストの作品からなる展⽰を、春夏プログラム(第⼀部)、秋冬プログラム(第⼆部)で展開する。

ケリス・ウィン・エヴァンス ....the Illuminating Gas Exhibition view at Pirelli HangarBicocca, Milan, 2019. Courtesy of the artist and Pirelli HangarBicocca, Milan. Photo by Agostino Osio ※参考図版

 建築家・田根剛が設計し誕生した青森県弘前市の弘前れんが倉庫美術館。その2021年度のプログラムが発表された。

 同館では来年度、英国・ウェールズ出⾝で世界的に活躍するアーティストのケリス・ウィン・エヴァンスの新作コミッションワーク(委託制作)を基点に、複数のアーティストの作品からなる展⽰を、春夏プログラム(第⼀部)「りんご宇宙―Apple Cycle / Cosmic Seed」(仮)、秋冬プログラム(第⼆部)「りんご前線―Hirosaki Encounters」(仮)で展開する。

 ケリス・ウィン・エヴァンスは1958年ウェールズ⽣まれ。80年代から実験的な映像作品を⼿がけ、90年代以降はネオン、⾳、鏡などを⽤いて作品を制作してきた。哲学や⾳楽、天⽂学、物理学など多様な分野に基づくその作品は国際的に⾼い評価を得ており、2013年に第50回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展ウェールズ館代表を務めた。また19年には、巨⼤な展⽰空間で知られるミラノのハンガービコカで個展を開催している。

 エヴァンスは19年に弘前を訪れリサーチを⾏い、りんごに着想し、その断⾯のフォルムから万有引⼒の公式、惑星の軌道といった象徴的なイメージやモチーフをグラフィカルに組み合わせた巨⼤な灯(ともしび)のような作品を制作したという。

 その美術館の吹き抜け空間を照らすかのようなネオン管を使った巨⼤な彫刻作品を軸に、春夏の第⼀部では、現代アーティストらの多様な作品を通して、科学から神話など、りんごをめぐる豊かな思考と想像を発展させる。

 続く秋冬の第⼆部では、⼤きな気象の変化を起こす異なる気団の境界・交線や、運動の第⼀線 などを意味する「前線」をキーワードに、異⽂化の出会いから⽣まれた作品のほか、りんごの⼟壌である弘前の⼟地に関する作品や、弘前ゆかりのアーティストらの活動を紹介する。ひとつの作品を核として、異なるテーマのもとに⼆部構成で展⽰を⾏うというユニークな試みに注目だ。

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