2019.8.23

名和晃平から近代絵画の「黄昏」まで、今週末に見たい3つの展覧会

8月25日までに終了する展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

名和晃平《Foam》の展示風景
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泡と光のインスタレーション。「特別展示 名和晃平 Foam」(金沢21世紀美術館 展示室13)

名和晃平の《Foam》 (パリで開催された「深み」展での風景)installation view, “FUKAMI ‒une plongée dans lʼ esthétique japonaise” , Hôtel Salomon de Rothschild, Paris, France, 2018 photo: Nobutada OMOTE | SANDWICH ©NAWA Kohei

 透明なガラスビーズやプリズムシートなどの素材を用いた彫刻作品を発表してきた彫刻家・名和晃平。その巨大インスタレーション《Foam》の特別展示は8月25日まで。

 本作は、泡と光のインスタレーション作品。次々と湧き出る小さな泡が次第に寄り集まり、泡の集合体(フォーム)として有機的な構造を自律的に形成してゆく様子を表現している。生成と消滅というシンプルなプロセスを繰り返す個々の泡は、生命の根源を連想させるものとなっている。

 過去には「あいちトリエンナーレ2013」で展示され、当時も大きな反響を呼んだ本作の最新バージョンを無料で見ることができるチャンスだ。

会期:2019年4月27日~8月25日
会場:金沢21世紀美術館 展示室13
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800開館時間:10:00~18:00(金土〜20:00)
休館日:月
料金:無料

 

「ゼロ・サムネイル」シリーズの新作を中心に。「岡﨑乾二郎 Kenjiro Okazaki」(Takuro Someya Contemporary Art

岡﨑乾二郎 アリストパネスの饒舌 / 減らず口が食を減らす 2018 (C)Kenjiro Okazaki Photo by Shu Nakagawa ​Courtesy of Takuro SomeyaContemporary Art

 岡﨑乾二郎は1955年東京生まれの造形作家。82年のパリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品。ヴェネチア・ビエンナーレ第8回建築展の日本館ディレクター、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーションなど、つねに国際的で先鋭的な芸術活動を展開してきた。

 そんな岡﨑の個展が、東京・天王洲のTakuro Someya Contemporary Artで開催され、8月24日に最終日を迎える。本展では、代表作の一つでもあるゼロ号サイズとサムホールサイズに描かれた抽象画シリーズ「ゼロ・サムネイル」の新作を中心に展示中だ。

会期:2019年7月9日〜8月24日
会場:Takuro Someya Contemporary Art
住所:東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F
電話番号:03-6712-9887
開館時間:11:00〜18:00(金〜20:00)
休廊日:日、月、祝
料金:無料

 

近代絵画に描かれた夕景がずらり。「黄昏の画家たち 近代絵画に描かれた夕日・夕景」(山梨県立美術館

ライオネル・ファイニンガー 夕暮れの海Ⅰ 1927 愛知県美術館蔵

 独特の光の移ろいや、闇に包まれていくひととき、情緒ある様々な表情を見せる「黄昏」はバルビゾン派から印象派、そして日本の洋画家たちを魅了し、多くの風景画が生まれてきた。

 8月25日に会期終了し、9月には島根県立美術館へと巡回する「黄昏の絵画たち 近代絵画に描かれた夕日・夕景」は、黄昏時のモチーフに着目し、東西両洋の画家たちの作品を紹介する展覧会。とくに19〜20世紀の西洋と、その影響を受けながら独自の風景表現を生み出そうとした近代日本の絵画作品を中心に展示する。

 出品作家は、クロード・ロラン、ウィリアム・ターナー、ジャン=フランソワ・ミレー、クロード・モネ、オディロン・ルドン、ジョルジュ・ルオー、高橋由一、浅井忠、黒田清輝、菱田春草、吉田博、萬鉄五郎、梅原龍三郎ら。レビューもあわせてチェックしてほしい。

会期:2019年6月22日~8月25日
会場:山梨県立美術館
住所:山梨県甲府市貢川1-4-27
電話番号:055-228-3322
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月
料金:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下無料