19~20世紀を代表するスペインの建築家、アントニオ・ガウディ(1852~1926)。曲線や曲面を多用した装飾的な作風で知られ、グエル公園やカサ・ミラなど、手がけた建築のうち7件が世界遺産に登録されている。未完の代表作として知られるサグラダ・ファミリアは、ガウディの没後100周年である2026年の完成を目指し、現在も工事が進行中だ。
今回、そんなガウディの建築を「はかる」ことをテーマにした展覧会が、天王洲の建築倉庫ミュージアムで開催される。
模型とスケッチをベースに現場の職人とともに建設を進めたため、設計図面がほとんど残されていないというガウディの建築。本展は、40年にわたってスペインでガウディ作品の実測を行ってきた建築家・田中裕也による実測図と考察をもとに、ガウディ作品の魅力を解き明かす試みだ。
本展では、5メートルを超えるサグラダ・ファミリアの鐘楼尖塔図が日本初公開。また、田中が8年の歳月をかけて完成させたというグエル公園の実測図や、サグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・バトリョ、カサ・ミラ、コロニアル・グエル、テレサ学院の主要6作品の図面計70点が展示される。
加えて、会場ではグエル公園の階段が1/1スケールで再現されるほか、来場者が実際に展示物を「はかる」追体験をすることで、ガウディ作品に秘められた視覚矯正や身体スケールといった要素を学べる展示構成となっている。この機会に、「実測」という観点から巨匠・ガウディの建築の世界を楽しんでみてはいかがだろうか。