「カラスが巡る」伝承に着想を得て。小平篤乃生が個展「烏巡り」で見せる、土地の歴史とエネルギー

彫刻や映像など、さまざまなメディアを用いて制作を行う小平篤乃生の個展「烏巡り」が、広島・廿日市市のアートギャラリーミヤウチで開催中だ。会期は2019年1月14日まで。

小平篤乃生 Graphite sculpture 3.0 2015 ©Atsunobu Kohira, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 小平篤乃生(こひら・あつのぶ)は1979年広島生まれ、現在はフランスを拠点とするアーティスト。彫刻、映像、音などさまざまな素材と五感の関係を自由に組み換え、既成の方法にとらわれない制作を行ってきた。

 主な個展に「Seek hope, who enter here」(The Chimney、ニューヨーク、2018)、「Carbon Variation N°1」(ユミコチバアソシエイツ、東京、2017)、「Coalscape 石炭のインキ」(KG+、京都、2017)などがある。

展示風景 Photo by Nozomi Tomoeda

 宮島(広島県)と熊野(和歌山県)で滞在制作した際に小平が知った、ふたつの土地をカラスが巡るという伝承に端を発する本展。カラスの行動を自然循環の象徴に見立てた新作映像《烏巡り》を中心に、それぞれの土地で制作したオブジェによるインスタレーションが展示される。

展示風景 Photo by Nozomi Tomoeda

 これまで、体感的な場や作品を手がけてきた小平。今回も会場の1~3階をそれぞれ「海」「陸」「空」に見立て、階段にはカラスの鳴き声がこだまするなど、見えないエネルギーや歴史を体感できる空間となっている。

編集部

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