EXHIBITIONS

ゲンビどこでも企画公募2018展

2018.11.10 - 11.25

小笠原周 Body building 2018  展示場所:アプローチプラザ

進藤篤 OASIS 2018  展示場所:ミュージアムスタジオ

冬木遼太郎 思想付き通路 2018  展示場所:エントランスホール

田口友里衣 認識する行為 2018  展示場所:エントランスホール

「ゲンビどこでも企画公募2018」メインビジュアル

 「ゲンビどこでも企画公募」は、広島市現代美術館の無料パブリックスペースをアーティストに開放するオープン・プログラム。地元企業3社協賛のもと、アーティストの創造の場を支え、地域との交流の場を創出していくことを目的としている。12回目となる今年の特別審査員は、五十嵐太郎、西野達、原久子の3名が務めた。
 
 舞台となる広島市現代美術館は、広島市内が一望できる小高い丘の上に位置する。建築家・黒川紀章による設計で、古代ヨーロッパの広場を思わせる柱廊や、日本の土蔵を想起させる切妻屋根など、文化の融合により独特の魅力を持つ建築作品。本展では、その建物の展示室以外の空間の特徴を生かし、建物と作品が互いに魅力を引き出し合うことに着目した作品プランを国内外から募った。
 
 今年は、応募総数133件の中から有川滋男、小笠原周、進藤篤、田口友里衣、田中さお、冬木遼太郎、宮木亜菜の7名が入選。小笠原周の《Body building》は、彫刻自体が作品の設置場所となることで空間からの自立を図り、田口友里衣《認識する行為》では、美術館の壁の汚れや傷に付箋を貼り、建築空間への対話意識を刺激する作品を発表。進藤篤《OASIS》は、吸水ポリマーを用いて美術館に水の要素を持ち込んだ。豊かな自然に囲まれた人工建造物の内部で、新たな自然の循環と儚さを目の当たりにするだろう。
 
 黒川紀章の手がけた空間に、新たな試みを携えて向かうアーティストのエネルギーが共鳴を起こし、館内各所で響き合う作品展示をぜひ肌で感じたい。