第89回

櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:「できること」を失った先に

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載。第89回は、癌治療により創作や生活の自由が奪われた齋藤七海さんの言葉が投げかける問いに迫る。

地域レビュー(北陸甲信越):尺戸智佳子評「シーラカンス開館10周年 武士郎の多相世界」(シーラカンス 毛利武士郎記念館)/「小林千紗のガラス−ゆれる呼吸−」(Gallery O2)

ウェブ版「美術手帖」での地域レビューのコーナー。本記事では尺戸智佳子(黒部市立美術館学芸員)が、彫刻家・毛利武士郎の制作や人間像を捉え直した「シーラカンス開館10周年 武士郎の多相世界」(シーラカンス 毛利武士郎記念館)と、ガラスを素材に呼吸を具現化する作家・小林千紗「小林千紗のガラス−ゆれる呼吸−」(Gallery O2)の2展を取り上げる。

REVIEW

最良の環境で「素材・技術・美」の三拍子そろった作品を。「ア・ライトハウス・カナタ」が切り拓くアート界の未来

東京・表参道にこの10月、地上3階建+屋上フロアの規模を有する大型ギャラリーが出現した。西麻布から移転したア・ライトハウス・カナタである。今後ここでどのような活動が展開されていくのか。創業者の青山和平に話を聞いた。

INTERVIEW / PROMOTION

PREMIUM

ミケル・バルセロが信楽の土に見出したもの

スペインを代表するアーティストのひとりであるミケル・バルセロ。1982年に国際美術展「ドクメンタ7」でデビューして以来、第一線で活躍を続ける作家が、初めて信楽焼の作品を手がけ、ファーガス・マカフリー東京で披露した。かねてより親交がある美術史家で慶應義塾大学教授の松田健児がその制作について聞いた。

INTERVIEW

新たなオークション会社「東西ニューアート」が誕生。キーマンに聞く、目指すオークションのかたちと次世代へつなぐ責任

2025年8月、新たなオークション会社が誕生した。「競争」ではなく「共創」の姿勢を打ち出すその背景にはどのような意図があるのか、専務取締役の朝倉卓也氏、営業部長兼西洋担当の工藤綾女氏、東洋美術担当の後藤美和氏、ジュエリー担当の鈴木かほる氏の、キーパーソン4名に話を聞いた。

INTERVIEW / PROMOTION

地域レビュー(関西):武澤里映評「松本奉山ー水墨画で世界を描くー」(大阪大学総合学術博物館)、「国際的非暴力展#SUM_MER_2025」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)

ウェブ版「美術手帖」での地域レビューのコーナー。本記事では武澤里映(兵庫県立美術館学芸員)が、海外で活躍しながらもその評価の根幹にあるオリエンタリズム的な視点を慎重に排除して紹介する「松本奉山ー水墨画で世界を描くー」(大阪大学総合学術博物館)と、「非暴力」という言葉の射程への問いが喚起される「国際的非暴力展#SUM_MER_2025」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)の2展を取り上げる。

REVIEW