東京のアートシーンが持つ可能性
──東京のアートシーンや市場については、長年その可能性と課題の双方が議論されてきました。今回、東京でプロジェクトを立ち上げる立場から、どのように見ていますか。また、海外のアート関係者が十分に理解していないことはなんだと思いますか。
ロビー ここ数年、日本に対する世界的な関心がますます高まっていると感じます。それは観光だけでなく、アートの世界でも同じです。海外のギャラリーは東京で展覧会を開催したいと考えていますし、アーティストたちも、ここで発表する機会があればスケジュールを調整してでも実現しようとします。コレクターにとっても、東京は非常に魅力的な場所です。
Tokyo Jazz Clubも、当初から日本国内だけでなく、アジア各地、そして世界中から人々に集まってほしいと考えていました。アートウィーク東京(AWT)やArt Collaboration Kyoto(ACK)などの取り組みも、国際的な関心を高める役割を果たしています。
ただ、日本のアートマーケットについて言えば、一般に考えられている以上に強固で、ダイナミックなエコシステムが存在していると思います。世界的に見ても、主要な美術館から老舗ギャラリー、実験的なオルタナティブスペースまでが共存し、多くのアーティストが暮らし、財団や企業によるアートスペースがあり、国内外のコレクターが集まる都市は、それほど多くありません。
東京には、そうした要素がすべて揃っています。そのことが十分に評価されていないのではないでしょうか。富裕層がたくさん暮らしているだけでは、アートの中心都市とは言えません。そこにアーティストが暮らし、創作していることが不可欠なのです。

ヤエル 今回、私たちが新たに発見したことのひとつは、日本には比較的充実した芸術文化への助成制度があるということです。助成金は、アーティストが自由に実験するための重要な条件になります。
また、パフォーマンスのプログラムを準備するなかで、海外で広く活動しているアーティストでも、日本ではまだ公演したことがない人が多いと知りました。
出演を依頼する際には、「予算はあまりありませんが、素晴らしい都市とカプセルホテルがあります」と説明しました(笑)。すると、ほとんどのアーティストがすぐに興味を示してくれたのです。スケジュールの都合で参加できなかった人からも、来年はぜひ声をかけてほしいと言われました。
例えば、舞踏から強い影響を受けて活動する振付家のトラジャル・ハレルは、ヨーロッパやアメリカで広く公演していますが、これまで日本でライブパフォーマンスを行ったことがないと聞きました。
日本の文化に深く影響を受けている国際的なアーティストでさえ、まだ日本との直接的な接点を持てていない場合があるのです。そうした新しいつながりを生み出し、国境を越えた対話を促すことも、私たちがこのプロジェクトに取り組む大きな動機になっています。
「また来年も」と思ってもらえること
──最後に、第1回Tokyo Jazz Clubにとっての成功とはなんでしょうか。8日間を終えたとき、何が起きていれば、この実験は成功したと言えるのでしょうか。
ロビー 観客が十分な熱意を持って応えてくれて、私たち自身が「第2回もここで開催してほしいと思われている」と感じられたら、それが成功の証しになると思います。
ヤエル 私も同じです。イベントが終わった後、夜遅くにウイスキーを飲みながら、「来年はどこでやろうか」と話し始めていたら、きっと成功したということでしょう。
ロビー そうですね。もう一度開催できると思えること。それが何より大切なのだと思います。




















