デジタル時代に、なぜ「手を動かす体験」なのか
──北斎やダ・ヴィンチのような名画から、『スター・ウォーズ』や『マーベル』のようなエンターテインメント作品まで、幅広いコンテンツを扱っています。ブランドアイデンティティを維持するために、どのような基準でテーマを選定していますか。
グローブス レゴ®アートのポートフォリオを構築する際には、「感情的共鳴」「視覚的認知度」、そして「レゴ®ブロック体験として成立するか」を重視しています。ファインアート、日本の浮世絵、ポップカルチャーなど、インスピレーションの源泉は様々ですが、つねに問うのは「レゴブランドらしい独自の解釈が可能かどうか」です。

初期のレゴ®アートでは、認知度の高いエンターテインメントIPが、幅広い層へコンセプトを紹介する役割を果たしました。その後、シリーズは徐々に進化し、組み立て体験そのものの豊かさや、レゴ®ブロックが芸術的メディアとして持つ可能性をさらに追求するようになっています。現在では、奥行きや質感、レイヤー構造、立体的ディテール、革新的な組み立て技法などをより重視し、「驚き」や「クラフト感」「物語性」を強く感じられる方向へ進化しています。
──デジタルエンターテインメントが主流となる時代に、「手を動かす」フィジカルなアート体験にどのようなビジネスチャンスを見ていますか。
グローブス 「手を動かして遊ぶこと」には、とくに大人にとって多くの利点があります。私たちの調査によると、世界の大人の86パーセントが「遊びは家事や仕事から頭を切り替える助けになる」と回答しています。また、最新の調査からも「レゴ®ブロックで遊ぶことはリラックスにつながる」と答えた人は88パーセント、「思考力維持に役立つ」が89パーセント、「創造性につながる」が90パーセントでした。さらに、5人中4人が、「テレビを見るような受動的行為より、創造的・身体的な活動のほうが充実感を得られる」と回答しています。
──最後に、日本におけるレゴ®アートシリーズの今後について、どのような展望を持っているのかお聞かせください。
グローブス 日本には、クラフトマンシップや造形美、四季の移ろい、そして細部の美しさに対する深い理解があります。そのため、私たちレゴグループにとっても非常に魅力的な市場だと考えています。日本でも、大人のお客様に対して、レゴ®ブロック本来の魅力である「組み立てる過程そのものの楽しさ」を伝えることを大切にしています。同時に近年では、完成後にインテリアや鑑賞アイテムとして飾って楽しめる点についても積極的に訴求しています。
その新しい楽しみ方において、レゴ®アートシリーズが果たす役割は非常に大きいと考えています。3月発売の「レゴ®アート Claude Monet〈睡蓮の池に架かる橋〉」に加え、「レゴ®アート Vincent van Gogh〈ひまわり〉」「レゴ®アート モナ・リザ」などの名画シリーズ、さらにはロバート・インディアナ《LOVE》やKeith Haringのモチーフを再現したセットなど、ラインナップも拡充しています。幅広い大人のお客様から好評をいただいており、今後の新製品にもぜひ期待していただきたいです。



















