なぜ「間違い探し」なのか
──「間違い探し」という、ユーモラスで遊び心のあるタイトルはどうやって思いついたんですか?
フィッシャー 私は、間違い探しのゲームが好きでね。2つの似たイメージを見比べて小さな違いを見つける。このギャラリーには鏡のように似た2つの部屋があって、そこから鏡像関係の彫刻をつくるという発想につながったんだ。彫刻にキャンドルとして火が灯されると、溶けていく過程で、2つの彫刻はそれぞれ別のものになっていく。


──展示は1階と地下の二層構造になっていますよね。この構造はずっと温めていたアイデアですか、それともこの展示のために考えてきたものですか?
フィッシャー 2つの部屋はまったく異なるキャラクターを持っている。だから自然な捉え方は、ほぼ2つの別々のショーとして考えることかな。でもつながっているとも言えるんだ。上の階には、2つの部屋を仕切る壁をくり抜いて、写真機材を用いて再現した彫刻作品がある。下の階は、床面を精密に撮影し転写した壁紙──壁の傷や光の加減まで再現した高解像度の壁紙──による作品と、小さな彫刻作品だ。1階の彫刻は、写真的な手法によって存在感をつくり出し、重量を感じさせる。それに対して、地下の彫刻は小さく、いわば手づくりのもの。仕上がりや重さにおいて対照的だ。いっぽう、壁のアプローチは反転していて、1階の壁はフリーハンドで輪郭を描いて手作業でくり抜いている。地下は、いわゆるアプロプリエーション(流用)(*1)で、床の表面が機械的な手法で壁面へ転写されている。2つの階の作品を接続させるとすれば、全体として身体的なジェスチャー(身振り)と写真的なアプロプリエーションのコントラストを逆転させていると言えるね。




















