「今年の上海はイベントが多い」。これは今年11月の上海アートウィークでもっともよく聞かれた声のひとつ。そしてもうひとつは、「今年は経済情勢がうまくいっていない」というものだ。
第14回上海ビエンナーレや、ウェストバンド・アート&デザイン、ART021といったふたつのアートフェアが開幕した上海アートウィークの期間中(およそ11月6日〜12日の1週間)、上海の美術館やギャラリーでは100以上の展覧会が同時に開催されているという。昨年の2ヶ月以上にわたる大規模なロックダウンや、ART021の開幕後わずか1日での急遽閉幕など様々な事件を経て、上海は今年3月の香港と同じように、数多くの展覧会オープニングやディナーを通じて上海のカムバックを宣言し、中国本土随一のアートハブとしての底力を示している。
しかし、昨年11月に上海の若者たちが政府の過酷な「ゼロコロナ」政策に抗議するために起こした「白紙運動」をはじめ、今年の中国不動産不況とそれに伴う若者の失業率の上昇、消費マインドの低迷、デフレへの懸念などを経て、上海はかつてのようなアドバンテージを維持できているのだろうか?