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2018.8.1

夏休みは美術館へ!
藤田嗣治からコーネリアスまで、
注目の展覧会をピックアップ
【首都圏編】

夏休みはアウトドアや芸術祭だけではなく、涼しい美術館へ展覧会を見に行くのも楽しみのひとつ。日本各地で開催されている展覧会のなかから、編集部が注目する展覧会を地域ごとに5つずつピックアップ!第1弾は首都圏編。

21_21 DESIGN SIGHT「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」展示風景よりUCNV《Another Analogy》(2018)
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夭折した伝説の芸術家、その表現と生涯に迫る 「ゴードン・マッタ=クラーク展」 (東京国立近代美術館)

展示風景よりゴードン・マッタ=クラーク《スプリッティング:四つの角》(1974、サンフランシスコ近代美術館蔵)

 東京国立近代美術館では、35歳という若さでこの世を去った芸術家・ゴードン・マッタ=クラークのアジア初となる回顧展が開催されている。そのわずか10年という短い芸術活動を、彫刻、映像、写真、ドローイング、関連資料など約200点の作品で紹介する展覧会だ。

 なかでも注目したいのは、《スプリッティング:四つの角》(1974、サンフランシスコ近代美術館蔵)だ。74年に民家を切断した際、そこから切り出された4つの「角」を彫刻として展示するという作品からは、マッタ=クラークの発想と哲学を垣間見ることができる。

 早稲田大学建築学科准教授・小林恵吾研究室が手がけた展示デザインのなかで、マッタ=クラークの作品をゆっくりと鑑賞したい。

丨ゴードン・マッタ=クラーク展

会期:2018年6月19日〜9月17日
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園 3-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜21:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(9月17日は開館)
料金:一般 1200 円 / 大学生 800 円 ※本館の観覧料にて入館当日に限り、同時開催の「MOMATコレクション」、「瀧口修造と彼が見つめた作家たち コレクションを中心とした小企画」も観覧可能

 

コーネリアスの音楽による「音楽建築空間」とは? 「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」 (21_21 DESIGN SIGHT)

展示風景より参加作家8組の映像上映の様子

 六本木エリアでは、視覚と聴覚を駆使して全身で楽しめる展覧会「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」にぜひ訪れたい。

 コーネリアスによる音楽をもとに、8組のアーティストが映像を制作。それが展示室全体に音楽と連動しながら上映され、「音楽による建築空間」が実現しているというここでしか見られない展覧会だ。なお、コーネリアスのライブ映像もまた見どころのひとつ。

 なかには自分の顔をアプリで取り込み、音楽に合わせて顔が動くという作品も。いろいろな楽しみ方ができる「音楽建築空間」を堪能したい。

丨AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

会期:2018年6月29日〜10月14日
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
住所:東京都港区赤坂9-7-6
電話番号:03-3475-2121
開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
料金:一般 1100円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料
休館日:火

 

没後50年を迎え、代表作が上野に集結。 「藤田嗣治展」 (東京都美術館)

展示風景より藤田嗣治 カフェ 1949 ポンピドゥー・センター蔵
 © Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2017 E2833

 乳白色の裸婦や表情豊かな猫、そして細密な戦争画などで知られる藤田嗣治。没後50年を迎える今年は、日本と、そして藤田のもうひとつの故郷であるパリで相次ぎ展覧会が開催されている。そのなかでももっとも大きな回顧展が上野・東京都美術館で開催中だ。

 日本国内の美術館が所蔵している代表作をはじめ、ポンピドゥー・センター所蔵作品などパリ、そしてアメリカからも作品が来日する。

 有名な作品だけではなく、これまであまり出品されていなかった作品や、近年所蔵がわかった作品なども展示。藤田の作品をまとめて堪能できる貴重な展覧会だ。

丨没後50年 藤田嗣治展

会期:2018年7月31日〜10月8日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:03-5777-8600
開室時間:9:30~17:30(金〜20:00、8月3日、10日、17日、24日、31日〜21:00) ※入室は閉室30分前まで
休室日:月(ただし8月13日、9月17日、24日、10月1日、8日は開室)、9月18日、25日
料金:一般 1600円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1000円
 

彫刻作品やデザイン、公園のプロジェクトまで 「イサム・ノグチ —彫刻から身体・庭へ—」 (東京オペラシティアートギャラリー)

「あかり」シリーズ(香川県立ミュージアム蔵)が一堂に会する展示室

 新宿エリアでは、東京オペラシティアートギャラリーの「イサム・ノグチ —彫刻から身体・庭へ—」に注目したい。

 ノグチの彫刻作品からドローイング、舞台装置や衣装、そして公園のためのプロジェクトなど、「異文化の融合」と「生活と環境の一体化」を目指したノグチの幅広い仕事が一望できる展覧会。日系アメリカ人として、戦後広島の仕事に対する苦悩などについても言及されており、見応えのある内容だ。

 ノグチが岐阜県を訪れデザインした照明器具「あかり」や、一部の彫刻作品は写真撮影も可能。その柔軟な表現力をじっくりと楽しめる。 

丨イサム・ノグチ —彫刻から身体・庭へ—

会期:2018年7月14日〜9月24日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:11:00〜19:00(金土〜20:00)
休館日:月、8月5日
料金:一般 1400円 / 大高生 1000円 / 中学生以下無料

 

現代美術の源流を、モネの作品から探る 「モネ それからの100年」 (横浜美術館)

モネの《睡蓮》が並ぶ展示会場

 印象派を代表する画家・クロード・モネ。そのモネが代表作《睡蓮》のシリーズを手がけて約100年が経過する。そんなモネの作品と、モネの影響を受けたであろうモネ以降の100年に焦点を当て、20世紀から現代までの作品を追う展覧会「モネ それからの100年」が横浜美術館で開催中だ。

 「印象派の画家」としての一面だけではなく、後世に影響を与えたモネという側面に注目しながら、20世紀以降の作家の作品を見ることでこれまでとは違うモネの鑑賞体験ができるだろう。

丨モネ それからの100年

会期:2018年7月14日~9月24日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(8月10日、17日、24日、31日、9月14日、15日、21日、22日 〜21:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:木(8月16日は開館)
料金:一般1600円 / 大学・高校生1200円 / 中学生600円 / 小学生以下無料