EXHIBITIONS

海を渡った画家たち

2021.04.29 - 11.23

田中敦子 91 h.dec 1991 1991

関根伸夫 1つの中の8 1987

堂本尚郎 1959-12 1959

 軽井沢現代美術館では展覧会「海を渡った画家たち」を開催する。コロナ禍で作品と人との新しいかかわり方が生じるいっぽう、非常時の渦中に「芸術は不要不急か否か」と問われることについて、同館所蔵の作家たちの作品から手がかりを探る。

 出展作家は、青木野枝、今井俊満、金沢健一、川俣正、鬼頭曄、草間彌生、佐藤敬、白髪一雄、菅井汲、関根伸夫田中敦子、堂本尚郎、奈良美智東恩納裕一、眞板雅文、前川強、宮島達男、元永定正、ロッカクアヤコら。草間彌生の新作セラミックや、「もの派」の代表的作家として日本現代美術の変革に大きな功績を築いた関根伸夫の作品をはじめ、約20名の作家による作品が並ぶ。

「もの派」や「具体」をはじめとする日本の戦後美術は、いまでこそ各国で評価を得ているが、当時は欧米至上主義の傾向が根強く、苦労が絶えなかったと言う。なかでも祖国を離れ、外国へ活動の場を求めた「海を渡った画家たち」は、圧倒的マイノリティの立場に屈することなく目の前のキャンバスにただひたすらに向き合った。こうして日本人作家たちのたどった道のりは生き生きとした作品へと投影され、現代の若手作家たちへとかたちを変えて受け継がれている。

 世界が未曾有のウィルス蔓延に直面しているいま、かつて作家たちが遠い異国の地で葛藤や焦燥感を抱きながらも生み出した力強い作品と向き合い、苦労を乗り越えた先の未来を見据える勇気や、アートの持つ普遍的な「力」を感じ取ってほしい。

 なお企画展示室では、「Collector’s Eye ー名和晃平ー」展を同時開催(4月29日〜11月23日)。