※本展は政府による緊急事態宣言の延長を受け、6月2日まで休館期間を延長することとなる(2021年5月11日追記)
草間彌生美術館の8回目となる企画展「神秘と象徴の中間:草間彌生のモノクローム」が、4月29日より開催される。
本展は、タイトルが示すように草間彌生のモノクローム作品に着目したもの。モノクローム(単色)絵画は古来より水墨画や単彩画として東西に親しまれ、20世紀では抽象表現の歩みとともに様々な美術運動において展開されてきた。
草間は、1959年の発表以降制作が続く「無限の網」シリーズに代表されるモノクローム絵画をはじめ、白や金・銀1色で塗りつぶしたソフト・スカルプチュアや、単色でありながらあらゆる色を反射する鏡の部屋、単色の花で空間を埋め尽くすインスタレーション、そして最新の絵画シリーズ「わが永遠の魂」における稀有な色彩感覚で組み合わされたモノクロームの作品群など、単色あるいは地色と描画色の2色に限定した様々なモノクローム作品を制作し続けている。
本展では、このような初期から現在に至るまで草間が制作を継続している多様なモノクローム作品を紹介。図と地が流動的で、オールオーヴァーに作品表面を覆い、さらには作品の外へも拡がる印象を与えるこれらの作品を通じ、草間が一貫して追求する自己消滅の表現における反語的な色彩の探求ともいえる独自のモノクロームの世界を概覧する。