鬼頭健吾 「せんをはかる」

　rin art associationで、鬼頭健吾による個展 「せんをはかる」が開催されている。

　鬼頭は、フラフープ、スカーフ、鏡などの日常にありふれた既製品を用いて、現代的なカラフルな色彩や光を抽出させながら作品を発表し、国内外で高く評価されている。絵画とインスタレーションの親和性を持たせながら展開させ、それぞれが互いに作用するように鬼頭の作品は制作される。近年ではミラーボールなどのモーターを用いたインスタレーションから抽出した回転運動を、スキージーを用いて表現した絵画作品 「cartwheel galaxy」を継続的に制作し、車輪のように描かれたマチェールにラメやガラスを加え、ランダムな光の抽出を行なってきた。

　本展は、2022年に神奈川芸術劇場アトリウムで行われた 「Lines 鬼頭健吾展」より継続的にテーマとして展開される 「せん」についての考察を重さねさせるインスタレーションと、新たな取り組みとして初めて発表する鉛筆を用いて多様な線を描いた 「cartwheel galaxy」を中心に構成される。近年において意識的に展開される線を用いたインスタレーションが次はどのように絵画に作用していくのか。会場では、鬼頭健吾の新たな取り組みとなる線の世界を体感することができる。