2017.12.10

テクノロジーがもたらす光と影を考える。「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」展開催

テクノロジーがつくり出すこれからの社会について考える「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」展が水戸芸術館で開催。ヒト・シュタイエル、サイモン・デニー、エキソニモなど8組が参加する。会期は2018年2月10日〜5月6日。

レイチェル・マクリーン 大切なのは中身 2016 Commissioned by HOME, University of Salford Art Collection, Tate, Zabludowicz Collection, Frieze Film and Channel 4.
前へ
次へ

 インターネットが普及し始めてから約20年が経った現在。スマートフォンやSNS、仮想通貨などが生活に浸透し、ロボットや人工知能の技術も目覚ましい進歩を遂げている。「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」は、こうした時代の変化をとらえ、新しい表現を開拓するアーティストたちによる展覧会だ。

セシル・B・エヴァンス 溢れだした 2016 Courtesy of the artist and Emanuel Layr Galerie, Vienna
※本作品は約18分間のロボットによるパフォーマンス作品。上演時間については水戸芸術館HPを参照

 本展では、セシル・B・エヴァンスの、Pepperやaiboといったロボットと映像による完全自動のパフォーマンス作品や、谷口暁彦が監視カメラを用いて制作した写真作品、サイモン・デニーによる仮想通貨のシステムをボードゲームで表現した作品など、現代のテクノロジーをベースにした多彩な作品が集まる。

谷口暁彦 address(アドレス) 2010-

 加えて、テクノロジーが持つ不安を煽るような側面にスポットを当てた作品も紹介。ヒト・シュタイエルによる情報社会から身を隠す方法を語るインスタレーションや、レイチェル・マクリーンのSNSに依存しきった人間を描いた映像作品などが登場する。

ヒト・シュタイエル 他人から身を隠す方法:ひどく説教じみた.MOVファイル 2013 Courtesy of the artist and Andrew Kreps Gallery, New York

 このほか、日本のインターネット・アートを牽引してきたアート・ユニットのエキソニモや、映像作品を通じて自らが影響を受けたメディアや文化の再検証を試みるデヴィッド・ブランディ、デジタル・ネイティブ世代の写真家として注目される小林健太が参加。会期中には、参加作家とゲストによる対談シリーズの開催も予定されている。

エキソニモ キス、または二台のモニタ 2017
小林健太 ピンク&ブルー, #ブラー #シャープネス 2016 Courtesy of the artist and G/P Gallery