ブラックユーモアの達人、
デイヴィッド・シュリグリーが誘うダークな世界

イギリス特有のブラックユーモアを取り込んだ作品で知られるアーティスト、デイヴィッド・シュリグリーの展覧会が、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催される。会期は10月14日〜2018年1月21日。

デイヴィッド・シュリグリー 虫―無題(413点の彫刻) 2007 Courtesy: Artist, Stephen Friedman Gallery, London and Galleri Nicolai Wallner, Copenhagen 撮影=Marcos García

 日常の場面を軽妙に描写したドローイングをはじめ、剥製を使った彫刻作品、アニメーション、写真など様々な手法でアイロニカルな作品を制作するイギリス人現代美術家、デイヴィッド・シュリグリー。これまで数多くのミュージシャンやファッション・ブランドとのコラボレーション、マンガやパブリックアートなどを通し、幅広い層から支持を集めている。

 2016年には、イギリスでもっとも重要なパブリックアートのひとつとされる「第4の台座」プロジェクト(ロンドン、トラファルガー広場)に、異様に長い親指を突き立てて「いいね」のしぐさを示す7メートルのブロンズ彫刻《リアリー・グッド》が選出され、話題を呼んだ。

デイヴィッド・シュリグリー ダチョウ 2009 Courtesy: Artist and the British Council Collection 撮影=Stephen White

 これまでメキシコ、チリ、韓国、ニュージーランドを巡回してきた本展。日本で唯一の開催となる水戸芸術館では、《リアリー・グッド》のバルーン版を世界初公開するほか、日本語バージョンの新作も発表。また、シュリグリーの作品のなかでも特に人気の高いドローイングが膨大な点数展示される。

 直訳すると「正気を失え」という意味となる「Lose Your Mind(ルーズ・ユア・マインド)」と題された本展で、シュリグリーの作品に通底する独特のユーモアを堪能したい。

デイヴィッド・シュリグリー チアーズ 2007 Courtesy: Artist and Stephen Friedman Gallery, London

編集部

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