スタジオ・オラファー・エリアソンのレシピ。「赤皮栗カボチャのラタトゥイユ」&「ほうれん草とパルメザンチーズのポレンタ」

光を駆使した作品で知られるアーティスト、オラファー・エリアソン。そのスタジオの共同キッチンからは、様々な旬の食材を使用したベジタリアンレシピが生み出されている。この連載では、そのレシピをまとめた日本語版書籍『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』から、全7回で自宅時間を豊かにするオススメのレシピを紹介します(材料は、一般の家庭でつくりやすい分量と、スタジオ・オラファー・エリアソンのキッチンのための大人数(60人)用を併記してあります)。

「赤皮栗カボチャのラタトゥイユ」&「ほうれん草とパルメザンチーズのポレンタ」
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赤皮栗カボチャのラタトゥイユ

(材料)6|60人分

ナス(大きめの乱切りにする)……中1本|11ポンド(5kg)

カボチャ(種を取り角切りにする)……大1|10個
挽きたての黒コショウ
オリーブオイル
タマネギ(さいの目に切る)……中2個|9ポンド(4kg)
セロリ(茎と葉をさいの目に切る)……3本|4株
ドライチリ(砕く)……小2|15個
辛口の白ワイン……大さじ3 と1/2(50ml)|2カップ(500ml)
ホールトマト缶……2|20缶(14オンス/400gのもの)
ベイリーフ……2|20枚
タイム(細かく刻む)……大さじ2|3株
ローズマリー(細かく刻む)……大さじ2|3株
ズッキーニ(厚さ1/3インチ(1cm)の輪切りにする)……中2個|9ポンド(4kg)
赤パプリカ(大きめの乱切りにする)……中2個|9ポンド(4kg)
ニンジン(大きめの乱切りにする)……中2個|6ポンド11オンス(3kg)
ケイパー……大さじ2| 1 と3/4ポンド(800g)
カラマタオリーブ……3 と1/2オンス(100g)|2 と1/4ポンド(1kg)
イタリアンパセリ(刻む)

(つくりかた)

オーブンを425°F / 220°C / ガスマーク7で予熱する。ナスに塩を振り掛けて1時間置き、あくを抜く。冷水で洗い、よく水を切ってからペーパータオルで水気をふき、取っておく。

カボチャに塩コショウと適量のオリーブオイルをまぶし、天板に乗せて25分、柔らかくなるまで焼く。

厚底のソースパンにオリーブオイルを熱し、中火でたまねぎをきつね色になるまで炒める。セロリ、チリ、適量の塩を加え、しんなりとするまでかき混ぜながらさらに炒める。ワインを加え、水気がなくなるまで炒め煮にする。トマト、ベイリーフ、タイム、ローズマリーを加え、煮立ったら弱火にし、40分煮る。厚底のスキレットにオリーブオイルを熱し、ナスをすべての面がこんがりと色づくまで焼く。ズッキーニ、赤パプリカ、ニンジンについても、少量のオリーブオイルをその都度加えながら同じことを繰り返す。焼いた野菜をトマトソースに加え、取っておいたカボチャを静かに混ぜ入れる。

火を弱め、野菜が柔らかくなりすぎないように気を付けながら煮る。ケイパーとオリーブを混ぜ入れる。味をみて、必要ならば調味料を加える。ほとんど汁気のない、つやつやとしてしっとりとしたラタトゥイユになればよい。ベイリーフを取り出し、パセリを飾って食卓に出す。(ラタトゥイユは、翌日にはさらにおいしくなることを覚えておいてほしい。)

ほうれん草とパルメザンチーズのポレンタ

(材料)6|60人分

野菜ブイヨン、または水……5カップ(1.2リットル)|3 と1/4ガロン(12リットル)
ポレンタ……11オンス(300g)|6ポンド11オンス(3kg)
バター(室温に戻しておく)……3 と1/2オンス(100g)|2 と1/4ポンド(1kg)
パルメザンチーズ(すりおろす)……7オンス(200g)|4 と1/2ポンド(2kg)
ほうれん草(ゆでて水を切り、ピュレする)……11オンス(300g)|6ポンド11オンス(3kg)
海塩と挽きたての黒コショウ

(つくりかた)

野菜ブイヨンを厚底の大鍋に入れて煮立たせる。水面が鍋の半分くらいの高さになる鍋を選ぶこと。ポレンタをブイヨンに連続して流し入れ、柄の長い泡立て器を使って、完全に混ざるまで混ぜ続ける。ポレンタが火山のように泡立ち始めたら弱火にし、スプーンでかき混ぜて表面に膜ができるのを防ぎながら、40分ほど煮る。ポレンタは煮あがると、鍋肌からはがれてくる。そうしたらバター、パルメザンチーズ、ほうれん草を混ぜ入れ、塩コショウで味を調える。大きくて平らな天板、または大皿に移し、厚さ3/4インチ(2cm)のケーキ状にならす。完全に冷ましてからスライスする。

スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン

*掲載したレシピは『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』(美術出版社 翻訳/水原文、翻訳協力/岩間朝子)280〜281ページに掲載されたものです。
*開幕延期となっている「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」の展示風景はこちら

・とくに指定のない限り、バターは食塩不使用のもの。
・またとくに指定のない限り、ハーブは生のもの。
・とくに指定のない限り、卵や1個1個の野菜や果物(タマネギやリンゴなど)の大きさは中。
・とくに指定のない限り、砂糖はすべてグラニュー糖、ブラウンシュガーはきび砂糖。
・とくに指定のない限り、生クリームは乳脂肪分36~40パーセントのもの。卵はすべてLサイズ。
・とくに指定のない限り、牛乳は乳脂肪分3パーセントのホモジナイズ低温殺菌牛乳。
・とくに指定のない限り、イーストは生イースト。
・とくに指定のない限り、塩は海塩。特に指定のない限り、パン粉は乾燥パン粉。調理時間はオーブンによって異なるので、参考程度にしてほしい。
・ファン付きの(コンベクション)オーブンを使う場合、オーブンの温度に関してはメーカーの指示に従うこと。
・高温調理、裸火、石灰、そして揚げ物の際など、危険性のある調理法を伴うレシピについては十分に注意してほしい。とくに揚げ物の際には、油がはねないように静かに食材を油に入れること、長そでの服を着ること、そして決して鍋の前を離れないように注意すること。
・一部のレシピには、生またはごく軽い加熱しかしていない卵や肉や魚、そして発酵食品が含まれる。これらの食材は、高齢者や乳幼児、妊婦、療養中の人、免疫の低下している人に提供すべきではない。発酵食品をつくる際には十分に注意を払い、すべて完璧に清潔な器具を使うようにし、疑いがあれば専門家の助言を仰ぐこと。
・例えば料理の仕上げや揚げ物の際に使う油や塩、ハーブなど、量の指定がない場合には、自分の判断で柔軟に決めてほしい。
・ハーブや新芽、花や葉は、すべて清潔な場所から摘んだばかりのものを使ってほしい。食材を野外採集する際には注意を払い、また野外採集した食材は、食べても安全だと専門家が判断した場合にのみ、食べるようにすること。
・レシピでは、メートル法とヤード・ポンド法(英国)の両方で分量を示している。これらは互換性がないので、両方を混ぜて使うのではなく、どちらか片方だけを使うこと。
・とくに指定のない限り、計量スプーンや計量カップの分量はすべてすりきり。小さじ1=5ml、大さじ1=15ml。オーストラリアで標準的な大さじは20mlなので、オーストラリアの読者は少ない分量を量る場合、大さじ1の代わりに小さじ3を使うようお勧めする。