スタジオ・オラファー・エリアソンのレシピ。「パラク・パニール(ほうれん草とチーズのカレー)」&「スリランカ風カリフラワーのサンバル」

光を駆使した作品で知られるアーティスト、オラファー・エリアソン。そのスタジオの共同キッチンからは、様々な旬の食材を使用したベジタリアンレシピが生み出されている。この連載では、そのレシピをまとめた日本語版書籍『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』から、全7回で自宅時間を豊かにするオススメのレシピを紹介します(材料は、一般の家庭でつくりやすい分量と、スタジオ・オラファー・エリアソンのキッチンのための大人数(60人)用を併記してあります)。

「パラク・パニール(ほうれん草とチーズのカレー)」&「スリランカ風カリフラワーのサンバル」
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パラク・パニール(ほうれん草とチーズのカレー)

(材料) 6|60人分

牛乳……1と3/4パイント(1リットル)|10 と3/4パイント(10リットル)
レモン(絞る)…….1/2|4~5個(必要ならもっと)
豆腐……7オンス(200g)|4 と1/2ポンド(2kg)
ほうれん草(洗って根元を切り落とす)……1ポンド2オンス(500g)|11ポンド(5kg)
ギー(澄ましバター)またはサンフラワーオイル……大さじ3|1ポンド2オンス(500g)(必要ならもっと)
タマネギ(さいの目に切る)……中2個|6ポンド11オンス(3kg)
マスタードシード……大さじ1 と1/2|3 と1/2オンス(100g)
ニンニク(みじん切り)……2|7~10かけ
ショウガ(すりおろす)……親指大1個|手のひら大1個
ドライチリ(砕く)……小3|30個
クミンシード……小さじ1|大さじ3
コリアンダーシード(砕く)……小さじ1/2|大さじ1と1/2
ターメリック……小さじ1|大さじ2
塩……小さじ1と1/2|大さじ5
トマト缶……2|24缶(14オンス/400gのもの)
カシューナッツ(細かく砕く)……3 と1/2オンス(100g)|1ポンド5オンス(600g)
ガラムマサラ……大さじ2|11オンス(300g)

豆腐のマリネ液
オリーブオイル……大さじ1|2/3カップ(150ml)
塩……小さじ1/2|大さじ1と1/2
ドライチリ(砕く)……小1|10個
挽きたての黒コショウ……小さじ1/2|大さじ1 と1/2

ほかに必要なもの:ガーゼまたは目の細かいざる

(つくりかた)

オーブンを400°F / 200°C / ガスマーク6で予熱しておく。まずパニール(インドのカッテージチーズ)をつくる。牛乳を沸騰させてから、レモン汁を加える。牛乳が完全に固まって分離するまで、必要に応じてレモン汁を加えながら煮る。ガーゼまたは目の細かいざるで濾す。ガーゼに重石を乗せて水分を切りながら、チーズを冷ます。

その間に、マリネ液の材料を合わせておく。豆腐を小さい長方形に切り、マリネ液をまぶす。天板に乗せて30分焼く。

たっぷりの湯を沸かして塩を加え、ほうれん草を約2・3分、少し固めにゆでる。鮮やかな緑色であること。よく水気を切ってフードプロセッサーでピュレする(量が多い場合には数回に分けて作業する)。

パニールを小さく切り分け、フライパンを中火に掛けてギーまたは油を熱し、こんがりと色づくまで焼いて、取っておく。

厚底のソースパンにギーを熱し、タマネギをこんがりと色づくまでじっくり炒める。マスタードシードを加え、はじけるまで炒める。ニンニク、ショウガ、チリ、クミン、コリアンダー、ターメリック、そして塩を加え、弱火で香りが立つまで炒める。トマトとカシューナッツを加え、中火で20分煮る。ガラムマサラとほうれん草を加え、ふたをせずに10分煮る。最後にパニールと豆腐を加える。バスマティライスを添えて食卓に出す。

スリランカ風カリフラワーのサンバル 

(材料)6|60人分

カリフラワー……大1|10個(1個あたり700g)
香菜……1|10株
黄タマネギ……大1個|3 と1/4ポンド(1.5kg)
レモン……1|10個
青唐辛子……2|12本
ギー(澄ましバター)または植物油……大さじ2|10 と1/2オンス(300g)
黒または黄マスタードシード……大さじ2|5 と1/2オンス(160g)
フェンネルシード……大さじ1|1 と1/4オンス(30g)
クミンシード……小さじ2|2 と1/4オンス(60g)
ターメリックパウダー……小さじ1|大さじ4
クミンパウダー……小さじ1|大さじ3
チリパウダー……小さじ1|大さじ3
コリアンダーパウダー……大さじ1|3 と1/2オンス(100g)
塩……小さじ1|大さじ3
乾燥(無糖)ココナッツフレーク…… 13オンス(375g)|6ポンド11オンス(3kg)

(つくりかた)

カリフラワーをおろし金で細かくおろす。これには多少の時間がかかるため、友人の助けを借り、1杯のお酒を飲みながら作業するのが良いだろう。香菜の葉を粗く刻んで取っておく。タマネギをみじん切りにする。レモンを絞り、絞り汁を取っておく。こんがりと色づくまで、タマネギと青唐辛子をギー(または油)で炒める。マスタードシード、フェンネルシード、クミンシードを加えて、マスタードシードがはじけ始めるまで炒める。ターメリック、クミンパウダー、チリパウダー、コリアンダーパウダー、塩を加え、30秒炒める。カリフラワーを加えて、かき混ぜながら3~5分炒める。カリフラワーの粒がすべてスパイスでコーティングされるように注意すること。ココナッツを加え、よくかき混ぜる。さらに5分炒めてから、香菜の葉とレモン汁を加えて混ぜ、すぐに食卓に出す。

付け合わせとして、ほかのカレーと米飯といっしょに食べるとおいしい。

『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』

*掲載したレシピは『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』(美術出版社 翻訳/水原文、翻訳協力/岩間朝子)116〜117ページに掲載されたものです。
*開幕延期となっている「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」の展示風景はこちら

・とくに指定のない限り、バターは食塩不使用のもの。またとくに指定のない限り、ハーブは生のもの。
・とくに指定のない限り、卵や1個1個の野菜や果物(タマネギやリンゴなど)の大きさは中。
・とくに指定のない限り、砂糖はすべてグラニュー糖、ブラウンシュガーはきび砂糖。
・とくに指定のない限り、生クリームは乳脂肪分36~40パーセントのもの。卵はすべてLサイズ。
・とくに指定のない限り、牛乳は乳脂肪分3パーセントのホモジナイズ低温殺菌牛乳。
・とくに指定のない限り、イーストは生イースト。
・とくに指定のない限り、塩は海塩。特に指定のない限り、パン粉は乾燥パン粉。調理時間はオーブンによって異なるので、参考程度にしてほしい。
・ファン付きの(コンベクション)オーブンを使う場合、オーブンの温度に関してはメーカーの指示に従うこと。
・高温調理、裸火、石灰、そして揚げ物の際など、危険性のある調理法を伴うレシピについては十分に注意してほしい。とくに揚げ物の際には、油がはねないように静かに食材を油に入れること、長そでの服を着ること、そして決して鍋の前を離れないように注意すること。
・一部のレシピには、生またはごく軽い加熱しかしていない卵や肉や魚、そして発酵食品が含まれる。これらの食材は、高齢者や乳幼児、妊婦、療養中の人、免疫の低下している人に提供すべきではない。発酵食品をつくる際には十分に注意を払い、すべて完璧に清潔な器具を使うようにし、疑いがあれば専門家の助言を仰ぐこと。
・例えば料理の仕上げや揚げ物の際に使う油や塩、ハーブなど、量の指定がない場合には、自分の判断で柔軟に決めてほしい。
・ハーブや新芽、花や葉は、すべて清潔な場所から摘んだばかりのものを使ってほしい。食材を野外採集する際には注意を払い、また野外採集した食材は、食べても安全だと専門家が判断した場合にのみ、食べるようにすること。
・レシピでは、メートル法とヤード・ポンド法(英国)の両方で分量を示している。これらは互換性がないので、両方を混ぜて使うのではなく、どちらか片方だけを使うこと。
・とくに指定のない限り、計量スプーンや計量カップの分量はすべてすりきり。小さじ1=5ml、大さじ1=15ml。オーストラリアで標準的な大さじは20mlなので、オーストラリアの読者は少ない分量を量る場合、大さじ1の代わりに小さじ3を使うようお勧めする。