「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」は、1990年代から写真や彫刻、インスタレーション、建築など多岐にわたる表現活動を展開してきたアーティスト、オラファー・エリアソンの大規模個展。
エリアソンは1967年デンマーク・コペンハーゲン生まれ。デンマーク王立美術アカデミーで学んだ後、95年に渡独し、スタジオ・オラファー・エリアソンを設立。テート・モダン(ロンドン)に巨大な太陽を再現した《ウェザー・プロジェクト》(2003)や、ニューヨークのイースト川に人工の滝を出現させたパブリックアート・プロジェクト(2008)など、私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映された大規模なインスタレーションで広く知られ、アートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みが国際的に高く評価されている。
またエリアソンは、幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたり撮影。近年の写真作品「溶ける氷河のシリーズ 1999/2019」(2019)では、過去20年間の氷河の後退を鑑賞者に体感させる。
本展は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に、国内初公開を含む作品の数々で構成。自然現象を再構成したインスタレーション、光と幾何学に対する長年の関心が反映された彫刻、写真のシリーズ、ドローイングと水彩画、公共空間への介入をめぐる作品などが展示。さらに、暗闇のなかに虹が現れる、最初期の代表作《ビューティー》(1993)を本展のために再構成。アトリウムの吹き抜け空間を使い、大規模なインスタレーションが展開される。