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2021.5.6

ソシエテ・イルフからオル太まで、4月のレビューをプレイバック

美術手帖では、批評家や学芸員らによる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、4月に公開された全7本をお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。

オル太「超衆芸術スタンドプレー 夜明けから夜明けまで」の展示風景より 撮影=縣健司
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山本浩貴評 黑田菜月「写真が始まる」展(gallery αM)

黑田菜月 部屋の写真 2021 映像 28分

 東京・馬喰横山のgallery αMにて、インディペンデント・キュレーターの長谷川新をゲストキュレーターに迎えたプロジェクト「約束の凝集」の第3回として、黑田菜月の個展「写真が始まる」が開催中だ。写真を媒介として展開される2つの映像作品が発表された本展を、文化研究者の山本浩貴がレビューする。

長谷川新評「ソシエテ・イルフは前進する 福岡の前衛写真と絵画」(福岡市美術館)

展示風景より

 福岡の美術の系譜のなかで特異な存在感を放つ前衛美術グループ「ソシエテ・イルフ」。その約30年ぶりとなる回顧展として、福岡市美術館では、イルフの視覚表現の広がりを感じさせる写真作品や絵画、そして各メンバーが作品を寄せたカメラ雑誌などの関連資料が一堂に会した。「イルフ」は何を目指して前進し、歩みを止めたのか。本展をインディペンデントキュレーターの長谷川新がレビューする。

荒井保洋評「文字模似言葉(もじもじことのは)」展(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA)

清水ちはる《心のままに》(2008)の展示風景 撮影=大西暢夫

 具体美術協会での活動でも知られる美術家の今井祝雄がアート・ディレクションを務める「文字模似言葉(もじもじことのは)」展が、ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀)で開催中だ。現代の情報社会において、文字や言葉のあり様を再検討する本展について、滋賀県立美術館学芸員の荒井保洋が論じる。

飯岡陸評 「聴く─共鳴する世界」展(アーツ前橋)

ワン・ホンカイ《ボロム(風)》(2020)の展示風景 撮影=木暮伸也

 「聴く」という行為を通して、世界と関わる実践を芸術作品によって紹介する展覧会「聴く─共鳴する世界」がアーツ前橋にて開催された。同時開催された「場所の記憶 想起する力」展や過去の同館の取り組みなどとも反響しあう本展の試みを、キュレーターの飯岡陸がレビューする。

葛西祝評「GEIDAI GAMES 02」展(東京藝術大学)

VR作品の展示風景より 撮影=筆者

 企業や海外の大学とも協働し「表現としてのゲーム」が研究・制作される東京藝術大学大学院映像研究科ゲームコースによる、成果展示が開催された。VRを用いた実験的な作品などが発表された本展を、ヴィデオゲームについて執筆や批評を手掛ける葛西祝がレビューする。

能勢陽子評「甕々の声」(アートラボあいち)

展示風景より 撮影=三浦知也

 アートラボあいちにて、キュレーター・西田雅希、アーティスト・黒川岳によるプロジェクトが開催された。「とこなめ陶の森資料館」(愛知県常滑市)所蔵の大甕と土管によるサウンド・インスタレーションを展開。能勢陽子がレビューする。

北出智恵子評 オル太「超衆芸術スタンドプレー 夜明けから夜明けまで」

超衆芸術スタンドプレー 夜明けから夜明けまで 2020 スチル

 6人組のアーティスト集団・オル太による展覧会「超衆芸術スタンドプレー 夜明けから夜明けまで」が、東京・墨田区のアートプロジェクト「ファンタジア!ファンタジア!」のプログラムとして開催された。本展では、リサーチをもとに構成したストーリーを再演する映像を軸にインスタレーションを展示。「演じる」ことで地域の歴史と人々の営みを掘り起こし、新たに物語を紡いでいく実践の方法について、キュレーターの北出智恵子が論じる。