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REVIEW - 2019.4.1

村上隆の「バブルラップ」から小圃千浦の初回顧展まで、3月のレビューをプレイバック

美術手帖では、批評家や学芸員などよる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、3月に公開された6本をピックアップしてお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。

会場風景より、中央:空山基《Sexy Robot_Walking》(2018) © Hajime Sorayama, Courtesy of NANZUKA エントランス:© 2018 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co.,Ltd. All Rights Reserved.

長谷川新評 「バブルラップ」展

 現代美術家・村上隆のコレクションとキュレーションによる展覧会が、熊本市現代美術館で開催された。本展の正式タイトルは、「バブルラップ 『もの派』があって、その後のアートムーブメントはいきなり『スーパーフラット』になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を『バブルラップ』って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコレクションを展示したりして考察します。」という。冒頭には、戦後の現代美術を新しい視点で解釈する際の全体像を包括するものとして、村上が生み出したアートワード「バブルラップ」が掲げられた。つねに「芸術とは何か」を問い続けてきた村上の最新アイデアが凝縮された本展を、インディペンデント・キュレーターの長谷川新がレビューする。

会場風景より。ブルーシートをめくると、奈良美智作品を含む数々の陶器が陳列されている Photo by IKKI OGATA

星野太評 今尾拓真展「work with #6(金沢市民芸術村アート工房空調設備)」

 旧大和紡績の倉庫をリノベーションした石川県の金沢市民芸術村PIT5アート工房で、同市を拠点に活動する若手アーティスト・今尾拓真による「work with」シリーズの新作が発表された。彫刻や音響を用いて空間に介入する作品を制作してきた今尾の試みについて、星野太がレビューする。

展示風景より Photo by tkmorizuru

沢山遼評「特別展示:瑛九の部屋」展

 コラージュ、ガラス絵、フォトデッサン、版画、抽象絵画などの多面的な仕事を残し、周囲の作家たちからは天才と呼ばれながらも、日本の画壇の無理解に苦しみ続けた画家、瑛九。その最重要作品とも言える《田園》(1959)のみを暗室に展示し、鑑賞者が照明をコントロールしながら鑑賞できるという実験的な展示「特別展示:瑛九の部屋」が埼玉県立近代美術館で4月14日まで開催中だ。フォトデッサンから《田園》まで、瑛九の作品に通底する世界とは。美術批評家の沢山遼が読み解く。

瑛九 田園(部分) 1959 特別出品(加藤南枝蔵) 撮影=町田良夫

椹木野衣評「起点としての80年代」、「ニュー・ウェイブ 現代美術の80年代」、「バブルラップ」、「アーカイヴ/1980年代│静岡」展

 1980年代をテーマとした展覧会が、静岡市美術館、国立国際美術館、熊本市現代美術館をはじめとする各地の美術館で立て続けに開催されている。1980年代日本の現代美術はどう括られるべきなのか? 各展に見られる重複と反復、思惑を椹木野衣が読み解く。

「起点としての80年代」展、静岡市美術館での展示風景。左から吉澤美香《無題(テーブル)》《無題(茶だんす)》《無題(掃除機)》《無題(三脚)》(1982) 千葉市美術館蔵、杉山知子《themidnightoasis》(1983) 作家蔵

清水穣評「内田鋼一展 時代をデザインする」

無国籍性、素材の質感を重視したスタイルが特徴の陶芸作品を手がけ、古陶磁、古道具の蒐集家でもある内田鋼一の個展が兵庫陶芸美術館で行われた。白をテーマとした作品と自身のコレクションが並置された本展から見えてくる、「民藝」なき戦後の日本社会の「自由の美」とは。美術評論家・清水穣がレビューする。

内田鋼一 加彩広口大壺 2014 79×100×101cm

長谷川新評 小圃千浦「カリフォルニアに生きる。」展

太平洋戦争中の強制収容といった過酷な体験を耐えながら、アメリカでその生涯を全うした画家の小圃千浦(おばた・ちうら)。そんな小圃の初回顧展が昨年アメリカで開催され、今年に入ってその巡回展が岡山県立美術館で開催された。東洋と西洋の美的感覚が混在する小圃作品約140点を紹介した本展を、インディペンデント・キュレーターの長谷川新がレビューする。

小圃千浦 ヨセミテ公園庁舎に近づく雪の嵐 1939 個人蔵